文化>
japanese.china.org.cn |14. 07. 2021

発掘再開の三星堆遺跡 新技術が支えた新発見

タグ: 三星堆遺跡

 

5号坑で出土した半分の黄金仮面。仮面の右耳たぶには穴が一つある。三星堆で出土したほとんどの青銅人頭像の耳たぶに穴があるため、当時の三星堆の人々には「耳たぶに穴を開ける」習慣があったと推測される(写真提供・四川省文物考古研究院)


1930年代、四川省広漢市で三星堆遺跡が発見された。1986年、三星堆で偶然二つの「祭祀坑」が発見され、青銅神樹や大立人、縦目仮面、玉璋(刀の形状をした玉器)、象牙などの貴重な文化財が出土したことは、世間を大いに驚かせ、20世紀における人類の最も偉大な考古学発見の一つとたたえられた。


86年の発掘に引き続き、三星堆の「祭祀坑」の考古学発掘作業は昨年9月に再開された。そして今年3月20日、三星堆遺跡の重要考古学発見と研究成果が発表された。新たに発見された六つの「祭祀坑」からは、現時点ですでに、黄金仮面の残片、鳥型の金の装飾品、青銅神樹、象牙、象牙彫刻の残片、玉琮(八角柱で中央に円柱の空洞が空いている玉器)などの重要な文化財500点余りが出土している。専門家が炭素14年代測定法で六つの坑の炭くずサンプル73点を測定・分析した結果、現在、4号坑が今から3200~3000年前の商代末期のものと確定されている。

 

 3000年眠っていた文化財の宝庫


三星堆国家考古遺跡公園で、かつて宝物でいっぱいだった1、2号祭祀坑は埋め戻された後、上に桟道と展示スペースが設けられていた。2019年12月2日、スタッフが桟道付近を探査していたところ、地下に隠れていた祭祀坑の角に探査機器の先が触れた。その後、桟道と展示スペースは速やかに撤去され、新たな六つの坑が続々と発見された。それらは1、2号坑付近にあり、最も小さいものは約3・5平方㍍、大きいものは約20平方㍍あり、形はどれも長方形で、同じ方角を向いていた。四川省文物考古研究院は昨年9月、全国33カ所の科学研究機関や大学と協力し、この六つの祭祀坑の整理・発掘を進めた。目下、3、4、5、6号坑はすでに遺物包含層まで発掘され、7、8号坑はまだ上部の土を取り除いている段階だ。


「最大の注目点は5号坑で出土した黄金仮面の残片です。その次は3号坑で出土した大量の青銅器で、一部の青銅器の品質は1986年の1号坑、2号坑のレベルを超えています。三つ目は絹織物の残痕を発見したことです」と三星堆遺跡祭祀エリア考古発掘チームのリーダー・雷雨氏は説明する。


六つの坑のうち面積が最も小さい5号坑では、大量の黄金製品――円形金箔片、鳥型の装飾品、黄金仮面の半分が出土した。この半分の仮面は幅約23㌢、高さ約28㌢、重さ約280㌘で、断片だが、とても厚く、支えがなくても自立できる。雷氏は「この黄金仮面はおそらく祭祀に使われたもので、仮面全体の重さは500㌘を超えると思われます。人の顔よりかなり大きいので、実際に着けるものである可能性は低く、どんな用途があったのかは研究の結果を待つ必要があります」と推測している。


3号坑では、形が珍しく、精巧で、保存がほぼ完全な数十点の青銅器と大量の象牙が発見された。中でも、まだ完全に出土していない銅人頂尊は、国宝級の文化財になる可能性が極めて高い。この遺物の下部は拱手姿の銅人で、銅人の頭の上には四角い板があり、板の上には4体の飛竜の装飾が付いた尊型の器がある。四川省文物考古研究院の元副院長である陳顕丹氏は次のように述べている。「この遺物の造形は中原の礼器『尊』と全く異なっています。そのためきっと異なる用途があるはずです。この謎を解くことは、古蜀人の宗教信仰上の複雑性を探り、当時存在したいくつかの集落の異なる風習を知ることにつながるかもしれません」


3号坑からはさらに中国の伝統的な二つの青銅製礼器――大口尊と円口方尊が出土した。模様は商代末期の典型的な長江流域の様式で、北方地域ではあまり見られないものだ。これらと4号坑で出土した玉琮は、三星堆文化と長江下流域の良渚文化との密接な関係をあらためて証明した。このほか3、4号坑では絹が朽ちた後の残留物も発見され、サンプルの土からは多くのフィブロイン(絹糸の主要成分)が検出され、3000年以上前の三星堆ですでに絹が使われ始めていたことが証明された。


6号坑では長さ約1・7㍍、幅約0・6㍍、高さ約0・4㍍の長方形の木箱が出土した。木箱の上にふたとなる板はなく、内側の壁板には朱砂が塗られていた。この木箱の用途と内容物については、専門家のさらなる研究と実験室での検査・測定によって確定される。


7、8号坑はまだ遺物包含層まで発掘されていないが、規模が最大の8号坑ではすでに多数の建築材料と大量の紅焼土の塊が発見されている。ここでは祭祀に使う神廟が燃やされた後に全体的に埋められた可能性がある。金属探知機と地中レーダーによって、近頃、8号坑には大量の金属類の文化財がある可能性が推測されており、今後8号坑で重要な発見があることが予想される。

1  2  3  >