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japanese.china.org.cn |19. 07. 2023

Z世代が語るポップカルチャー 日常生活に浸透する「コラボ文化」

タグ: コラボ文化
中国網日本語版  |  2023-07-19

 マクドナルド(ファストフード)×『SPY×FAMILY』、奈雪の茶(ドリンク)×『カードキャプターさくら』、Dairy Queen(アイスクリーム)×『名探偵コナン』……


 これらのような「×」マークがつけられたモデルは「コラボレーション企画」と呼ばれている。「コラボ」と略称される場合も多い。最近、日本で大ヒットしたアニメ作品の中国でのコラボが非常に流行っており、中国のSNSでもバズっている。


 最初のコラボレーション企画は芸術界×ファッション業界という形で活発に行われた。その中の代表作品は、1930年代にイタリアのファッションデザインナーのエルザ氏とシュルレアリスム(超現実主義)の有名画家サルバドール・ダリ氏が共同制作したロブスター柄のドレスだった。この企画は当時のファッション業界だけでなく、全世界を大いに驚かせた。現在に至るまで、コラボの形式はますます多様化し、各業界に浸透している。


 日本において、コラボは二次元文化とのつながりがより深いと言えるだろう。例えば、「コラボカフェ」(映画、アニメ、ゲームなどの様々なコンテンツをテーマとした飲食メニューを提供するカフェ)という面白いモデルは日本で初めて作られた。そのほか、「ユニクロ」が多くの人気アニメとコラボしたUTシリーズは、十数年にわたりつぎつぎと発売されていた。ファンたちにとって、コラボ商品は商業的価値があるだけでなく、消費者の情緒的価値も十分にあると私は信じている。


「コラボ」というコンセプトが中国に入ってまだそれほど経っていないが、最近は急速に発展しており、その中で大成功した事例もいくつかある。故宮は中国最大の古代芸術文化博物館で、そのイメージは常に荘厳で、人々にとって非常に距離感のある存在だ。博物館の文化財は趣のあるいろいろなコラボ商品を通し、古く静かな歴史が手で触れられる身近なものになり、人々の生活に溶け込んでいる。文化クリエイティブ業界のNO.1と呼ばれる故宮は各ブランドとコラボモデルを展開している。たとえば、オレオビスケット×故宮博物院が共同で作ったコラボギフトボックスは、パッケージに中国古典の趣あるデザインを採用し、小豆、チャーシュー、サンザシなどの新フレーバーのビスケットも開発した。そのほか、皇帝の玉璽、レトロなブルートゥーススピーカーなどの「故宮らしい」商品も発売した。


 中国のコラボ文化は「昔のものに新しい要素を加える」だけでなく、「新しいものをさらに革新する」という方法にも重視している。優れた伝統文化の成果を時代に合わせて変えると同時に、現在流行っているものにも注目し、Z世代の好みを理解し、若者に合わせているという特徴もある。

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