「中日高校生交流」が始まってほぼ一年。日本を訪問した千人を超す中国の高校生たちは、日本の学校で日本の生徒たちといっしょに授業を受けたり、普通の日本の家庭にホームステイしたり、さまざまな体験をした。そして中国の高校生たちは異口同音にこう言うのだった。「百聞は一見に如かず」
教育の質の違いを実感
|
外務省で開かれた歓迎会で、中国の高校生と歓談する駐日中国大使館の孔鉉佑公使(右から2人目)と日本政府の塩崎恭久官房長官(右端) |
2006年夏、「中日高校生交流」訪問団の200人が日本を訪れ、10日間、滞在した。高校生たちは新疆ウイグル自治区、河北省、内蒙古自治区などの6つの省や自治区からやってきた。
新疆ウイグル自治区の昌吉回族自治州の高校2年生、呉双さん(漢族)もその一人だ。「日本の都市はどんな姿だろう」「日本の高校生たちは私たちと同じように勉強や生活をしているのだろうか」―こんな疑問を持ちながら日本にやってきた。彼女にとって日本は「近くて遠い国」であった。
岩手県の盛岡南高校を訪問した呉さんは、日本の高校生たちといっしょに授業を受けた。外国の学校で外国の生徒と机を並べるのは、彼女にとって初めての経験だった。
|
訪日した中国の高校生を歓迎するパーティーが日中友好会館で開かれ、中国の高校生たちが日本舞踊を披露した |
「日本の女子高校生たちは、制服がきれい、笑顔もすてき」。これが呉さんの第一印象だった。
高校生同士、同じ世代なので、共通の話題はいっぱいあった。言葉が通じなくても、みんな一生懸命、英語で会話した。「日本の高校生たちは元気いっぱいで、開放的でした。進んで私たちと話しをしてくれたので、気持ちが通じ合わないというようなことはまったくありませんでした」と、呉さんは嬉しそうに言った。
その後、今度は看護の授業を受け、老人をどう介護したらよいかを日本の高校生といっしょに学んだ。授業中、日本の生徒たちは非常にまじめで、一つの動作を何度も繰り返して練習していたのが彼女の印象に残った。
|
西原愛さん(右)の母親(右から2人目)といっしょに晩ご飯を作る呉双さん(左)とディリバイルさん(左から2人目) |
さらに日本の高校では、料理や電気製品の修理など、生活に関連する科目も設けられていることに呉さんは興味を引かれた。「日本の学校は、生徒たちの実践力や創造性を培うことに気を配っていますが、中国では知力の教育に重点を置いています。私たちの学校では、生活や技能に関する科目は一切ありません」と呉さん。
午後3時過ぎ、授業が終わると、多くの生徒たちはクラブ活動に参加する。球技をしたり、体操をしたり、楽器を演奏したり……呉さんは、さまざまなクラブを見学した。
「日本の高校生活は羨ましい」と呉さんは思った。「日本の高校生たちはリラックスしていますね。それに比べると、中国の生徒たちはいつも疲れています。私たち朝8時から午後6時まで授業を受けて、家に帰っても夜には宿題をしなければなりません。学校にはクラブなどありませんから」
「人民中国」より