湖北省・重慶市政府関係者によると、三峡ダムの蓄水が始まって以降、支流の水質は悪化し、部分的に「水華(藻の異常発生)」現象が起こり、しかもその範囲・持続時間・頻度ともに明らかな増加が見られる。住民の飲み水の源となる一部の支流の水質が良くなくなり、特に香渓河・大寧河・梅渓河では劣悪な状況である。今年、豊度県では支流の水に過度な栄養分が含まれたせいで、5万人の飲用水が汚染した、という。
三峡ダムからの清水の流れ込みによる、長江中下流域において堤防がもっとも崩れやすいと見られている荊江河区間の堤防に対する脅威も湖北省が高度に重視している点だ。李春明副省長は、近年、荊江の堤防崩れの回数が明らかに増加し、その範囲もますます広がっている。研究分析の結果、今後長江の河床は、長距離にわたる侵食と幅の拡大がおこり、水流のコントロールと河岸防御工事に比較的大きな影響をもたらし、さらには新たな堤防崩れを引き起こす可能性がある、と語った。
これらの問題に対して、地方政府は、迅速に専業と部門の枠を打破し、三峡ダム管理に関する権威性のある法規を制定し、ダム区の生態環境保護計画を制定することを提案している。黄学斌・曹文宣などの専門家も、ダム区地質災害防止長期システムを打ちたて、整備済みの項目について有効性のある継続を確保し、水質の栄養過多の原因となっている河を網で囲んで魚を養殖することをきっぱりと制止することを呼びかけている。
柳地三峡ダム管理司司長は、三峡では、現在重慶・湖北・上海で支流水質環境整備、農村や町の汚水の遮断、生物の多様性など七つの方面での生態環境の整備と保護に関する特定項目試験場所と生態環境監視測定システムの効能評価が行われていること、さらに、すでに町の住民の飲料水の安全性、中国チョウザメの保護、三峡地域に特有の植物の保護などの方面において進展していること、を説明している。
「チャイナネット」2007年9月27日