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黒首鶴の娘、大海子保護基地の鶴の保護官
発信時間: 2008-08-25 | チャイナネット

大山包の黒首鶴は毎年ここで冬をすごしたのち、四川省のルオアールガイなどの繁殖地で繁殖する。鶴が飛び立ったのち、半年大忙しで過ごした陳光会は、いつもいくばくかの喪失感を味わい、鶴の群れが戻ってくる時期を待ち焦がれるという。「飛び去ってしまうと、私は彼らのことを懐かしく思います。鶴がいるときは、私たちは事務所で彼らがいっしょに鳴き叫ぶのを聞くことができましたが、去ってしまうと、それが聞けなくなってとても寂しいのです。毎年鶴が戻ってきたとき、私を見ると、頭を少しだけさげたり、または別の動作で、私をきちんと覚えていて挨拶してくれているかのようなものがいます。3年毎年何匹かそのような鶴がいたので、私も彼らを見分けることができるようになりました。それに、私が口笛をふくと、私に合わせて鳴くのです。鶴が帰ってくると、私はとてもうれしくなります。」

最後に記者は陳光会に尋ねた。「もし別の給料が高い仕事があったとしたら、あなたはここを離れますか?」彼女はこのように答えた。「私は行きません。家には面倒を見なければいけない老人と小さな子どもがいるので、ここを離れたら心配でたまりません。私がいれば老人も子どもよく面倒をみれますから。私のこの仕事は家のすぐ玄関先ですし、とても好きです。小さい頃から私は黒首鶴が大好きでした。そのころはまだここの鶴はとても多く、とてもきれいだな、と思って眺めていました。」

黒首鶴が湖近くの村の上空を舞う
 


保護基地を離れるとき、記者は陳光会とともに彼女の家のなかに入ってみた。彼女の義母の董玉蘭、夫と子どもはみな家にいた。陳光会はわたしに昨年、雲南の記者が彼女をとった写真をみせてくれた。その写真の彼女は、白い雪がきらきらと光る湖の岸辺にたち、強い風に吹かれて髪の毛が舞い上がり、冷たい風にさらされて顔が赤くなっていた。そして、彼女のうしろにはたくさんの美しい黒首鶴の群れがいた。

参考データ

雲南省の昭通市昭陽区の大山包保護区は、1990年1月に建てられ、現在のところ、黒首鶴の仲間の数がもっとも多くもっとも集中する越冬棲息地として知られている。2003年1月、「国家クラス自然保護区」に昇格した。2004年12月に「国際重要湖沼湿地帯」の名簿に載り、中国で現存する30カ所の国際重要湖沼湿地帯のひとつとなった。2005年10月31日、中国野生動物保護協会は雲南省昭通市昭陽区に「中国黒首鶴の郷」という称号を与えた。

黒首鶴は中国の高原で生活する特有の鶴で、国家一級保護動物に指定されている。世界の鶴類のなかでも、高原で繁殖•越冬する唯一の鶴類である。海抜3200メートルの大山包自然保護区は、雲貴高原で越冬する黒首鶴が最も集中する地域として、中国黒首鶴の重要な越冬生息地のひとつとなっている。黒首鶴はおもに、草の根、小さな虫などを食料とするが、保護基地は黒首鶴を無事に越冬させるために、餌を与える方法をとっている。これらの努力によって毎年黒首鶴の数は増えており、統計によれば、1993~94年度には200羽だったものが、2007~08年度には1221羽に増加している。

「人民画報日本語版」より2008年8月25日

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