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英国紙『デイリー・テレグラフ』:中国「緑の奇跡」実現に意欲
発信時間: 2009-05-13 | チャイナネット

英国紙『デイリー・テレグラフ』は5月3日、「中国は本当に環境配慮型社会に向かっているのか」と題する記事を掲載し、中国の「グリーンエネルギー」戦略について以下のように伝えた。

古代シルクロードの要衝地周辺の荒涼とした平原では、今もラクダが荒れ狂う風の中をゆっくりと進む光景が見られる。だが、今ではかつて商人たちを不安にさせた砂嵐の強風は発電に利用され、エネルギー不足に悩む中国経済で新たなグリーン革命を実現するため、発電プランの中に組み込まれた。達坂城(新疆ウイグル自治区ウルムチ市にある町)では広大な土地に風力発電用の風車が立ち並び、この「風車の森」は地平線の彼方まで広がっている。

現在、中国は代替エネルギー開発に一段と力を入れており、最も楽観視していたアナリストもこうした動きに驚いている。中国政府はほぼ毎週、環境保護関連の指示を出しており、先週、政府関係者は2020年までに風力発電量を100ギガワットに引き上げると発表した。この数値は1年半前に設定した目標値の3倍を上回る。

中国の人々の環境に対する姿勢にも変化が現れ始めた。ウルムチに向かう途中、砂塵が舞い上がる路上で、数人の観光客が風力発電用の風車をバックに写真撮影をしていた。ある観光客は「これらの風車は新たな、よりクリーンな中国の未来に向けた(政府の)取り組みを象徴している」と語った。

原子力、太陽エネルギー、および水力発電は中国の一連の景気刺激策に盛り込まれ、電力網への投資も実施されていることから、より多くの再生可能エネルギー関連の事業につながっていくと見られる。

中国は数年にわたり経済成長を優先させ環境破壊という代価を支払ってきたが、その姿勢に変化が現れている。国際環境保護団体・グリーンピースの中国のプロジェクト担当者は「古い考え方では中国は西側工業先進諸国の後塵を拝することになる、つまり、今日台無しにしたものを、明日お金をかけてきれいに整えるとされていた。しかし、今ではこうした考え方は時代遅れとなっている」と話す。

環境保護の一層の推進を目指しているのは中国政府だけではない。中国の人々の中でも変化を支持する草の根の動きが徐々に盛り上がりを見せている。ある環境保護活動家は「北京オリンピック開催前の大気汚染改善に向けた努力から、人々の姿勢が急速に変化したことがうかがえる」とした上で、「人々は北京で青空を見ることは不可能だと考えていたが、オリンピック期間中、不意にこうした考え方は誤りだと気づいた。今では人々は以前の汚染された環境に戻りたくないと思っている」と説明する。

中国の新たな環境対策投資の規模とその素早い展開は、世界第2位の汚染物質排出国である米国の人々の反省を引き出すことになった。ある報告によると、中国は2009年と2010年に環境対策として米国の6倍を上回る資金を投じる計画だという。また、世界的気候変動問題の多くのアナリストも楽観的な見通しを裏付ける根拠をつかんでおり、中国がこの20年で実現した「経済の奇跡」に匹敵する「第2の緑の奇跡」を実現できると信じている。

「チャイナネット」 2009年5月13日

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