中国水産科学研究院および中国科学院水生所などの専門家から構成される調査チームは、中国青海省の西寧市から青蔵道路に沿って長江の源流である沱沱河地区まで、また通天河に沿って青海省玉樹州の直門達までの約5000キロメートルを調査した。調査チームは、長江源流域で水生生物、魚類、水のサンプルなどを採集し、資料を収集した。
調査チームのメンバーで、青海省の漁業環境観測所所長である申志新氏は、「今回の科学調査によると、長江源流域の水域生態環境の状態は良好で、水生生物資源の保存状態も非常に良く、魚類の生息地も破壊されていない」と語った。
調査の後、5種類の魚類、1種類の底生生物、数種類の水生植物を発見し、その標本の調査を進めているという。
長江源流域の生物は種類が多く独特で、生態システムが安定していない上に復元不可なものである。この水域の水生生物資源は豊富で、21種類の魚類が生息し、虎嘉魚(学名Hucho bleekeri)など5種類の魚類が『CHINA SPECIES RED LIST』に入れられている。これらの水生生物は絶滅危惧種の資源や遺伝子ライブラリーとなるだけでなく、青蔵高原の生態チェーンの重要な部分ともなる。長江源流域は海抜が高く、気候が悪いため、関連する水生生物資源と環境科学調査についてはまだ手つかずの状態である。
「チャイナネット」 2009年8月11日 |