西蔵(チベット)自治区党委員会の土登才旺・副書記は5日、大陸部と台湾の記者の取材に応える中で、「中央政府は的確な西蔵統治プランを制定し、西蔵の安定を維持するとともに、西蔵の経済・社会の急速な発展を促進した」と発言した。土登才旺・副書記は主に次のように述べた。
ここ10数年間、西蔵の国民総生産(GNP)は毎年10%以上の成長率を維持し、特にここ5年間は12%を上回った。現在、西蔵の社会情勢は安定し、経済は発展し、市民は心安らかに暮らし、仕事に励んでいる。西蔵は史上まれにみる安定した発展期にあるといえる。
このほど青蔵鉄道が開通した。西蔵は青蔵高原の奥地にあり、海抜4千メートル以上の高原で、そもそも鉄道を敷設できるのか、いつ建設するのかといったことが以前は疑問視され、鉄道開通など夢の又夢ったが、今ではそれが現実になった。現在、西蔵の交通の発展状況はまだ内陸部と差があるが、全体的な枠組みには大きな違いがなく、自動車道路、鉄道、航空関連施設などすべてそろっている。
ある地方の交通システムの発展は、その地方の社会、経済、市民に、千載一遇の史上まれにみる発展チャンスを必然的にもたらす。われわれが今後考えるべきは、西蔵の各民族にとって「幸福を運ぶライン」であるこの青蔵鉄道を、いかに活用し、管理し、役割を発揮させるかという点だ。
青蔵鉄道の開通は、西蔵と中国の他地域との距離を短縮し、「海外より西蔵に行く方が難しい」という状況は過去のものになった。他地域の住民は今では気軽に西蔵を訪れることができるし、西蔵住民の他地域への旅行費用、進学費用も大きくダウンしてより便利になった。西蔵の今後の経済発展で青蔵鉄道は非常に重要な役割を果たすだろう。西蔵の経済構築に必要な各種材料の運輸コストを大幅にダウンさせ、沿線の農牧業や第三次産業の飛躍的発展をけん引するほか、基幹産業である観光業の質と利益を全面的に向上させるものと見込まれる。
▽
土登才旺・副書記は、宗教とダライ・ラマの問題に関する台湾の記者からの質問に対し、同自治区関連部門の責任者とともに応える中で次のように述べた。
「中華人民共和国憲法」と中国共産党の宗教政策には、宗教の信仰の自由を尊重し保護すると明確に規定されており、西蔵の宗教信徒は信仰の自由を十分に享受している。西蔵の領土や主権の帰属について問題はないし、西蔵市民の生産や生活にも問題はない。いわゆる「西蔵問題」とは実質的には、西側の中国に反対する勢力が、統一され、安定し、発展した中国を見たくないばかりにでっち上げたものだ。西蔵や新疆ウイグル自治区、台湾などを中国を分裂に向かわせるきっかけとして扱い、ダライ・ラマのグループを道具として利用している。ダライ・ラマはこれまで西蔵独立を目指す立場を堅持しており、手法はいろいろ変えているものの、祖国を分裂させようとする姿勢は一貫して変わらない。しかし西蔵にはいかなる政治的土台も築いていない。中央政府はダライ・ラマに対し、一貫した、非常に明確な態度を取っている。
写真1:蔵族の民族衣装を身につけて記念写真を撮る観光客=布達拉(ポタラ)宮の広場で
写真2:観光客を魅了する色拉(セラ)寺の僧侶たちの教典をめぐる問答「弁教」の様子
「人民網日本語版」2006年7月6日