経済青書では、中日貿易にこの高位変動現象が見られるのは、ある意味から言えば、中日貿易関係の成熟と安定かもしれない。また、中日貿易が減退期、停滞期に入っていることを映し出しているともいえる。こうした高位変動には深層的な原因があり、経済に関係ない要素も含まれるだろう。双方の政治信頼関係の欠如、釣魚島漁船衝突事件のようなアクシデントも二国の経済関係に影響を与えているだろう。同時にこの貿易を引き上げる大きなプロジェクトの欠如も挙げられる。
また、青書の指摘によれば、2002年来、中日貿易において中国側はずっと輸入超過状態にあった。2002~2010年の9年間の輸入超過総額は2362.36億米ドルに及ぶ。しかも、この輸入超過は加速しており、特に2010年は556億米ドルに達している。
分析によれば、輸入超過が発生する主たる原因は、中日間では製造業界内の貿易が占める比重が高いことだ。日本のハイエンド部品の輸入が多い。中日間の貿易構造は徐々に垂直分業から水平分業への転換時期にある。ただ、全体的に言えば、日本は技術の割合が高く、付加価値のある製品分野ではまだまだ優勢だ。これが中国側が長期にわたり対日貿易赤字に陥っている構造的原因だ。中日貿易格差の是正の最善かつ現実的な方法は、日本が中国製品の輸入を増やすことだ。中国製品、特に中級、高級製品を大量に日本市場に輸入することで、日本の内需拡大を促すことができるだろう。