人民解放軍総参謀部防化指揮工程学院履約事務弁公室によると、旧日本軍が中国を侵略した際に中国に遺棄した化学兵器のうち、これまでに4万発余りが無事に回収された。
旧日本軍は敗戦・降伏後、大量の化学兵器を付近の地中に埋め、あるいは河川に棄てるなどした。同弁公室の石建華主任は「中国は世界最大の『化学兵器遺棄場』」と指摘する。これまでに中国の十数省(直轄市)で日本の遺棄化学兵器が確認されているが、詳細な資料を欠くため、具体的な数や正確な遺棄地点を把握することはできない。これまでに見つかった遺棄兵器の大部分が、日常の生活・生産活動の中で偶然発見された。
石主任によると、日本の遺棄化学兵器は種類・数量ともに多く、分布範囲も広い。長い間地中や水中にあったため腐食したものが多く、毒物が漏れる可能性が高いため、一般人民の生命や安全、環境への深刻な脅威になっている。
同弁公室発表のデータによると、日本の遺棄化学兵器による事故はこれまでに約1千件発生しており、2千人以上が死傷している。2003年8月4日には黒竜江省斉斉哈爾(チチハル)市で日本の遺棄化学兵器から毒物(イペリットガス)が漏れる事故が発生し、43人が被害を受け、1人が死亡した。これは中華人民共和国の成立以来、最悪のイペリットガス事故となった。
中日両国は現在、廃棄施設の建設に向けて、準備作業を急いでいる最中だ。
「人民網日本語版」2005年9月7日