日本の有名な作家・渡辺淳一氏は6月に上海を訪れ、自著の著作権保護のための提訴を行った。これに対し、著作権侵害を訴えられた文化芸術出版社は6日、「渡辺氏によってサインされた版権契約書」とする文書を法廷に提出。国をまたいだ著作権侵害裁判はドラマチックな展開を迎え、真相は深い霧に包まれている。「新聞午報」が伝えた。
渡辺氏の代理人を務める弁護士は6日、「愛の流刑地」の版権侵害事件の審理で、文化芸術出版社が07年に出版した同書の中国語版が渡辺氏の正式な許可を得ていないことを指摘。中国版を販売していた竜之夢竜強書城と同出版社に対し、著作権侵害行為をただちにやめるよう求めた。渡辺氏側はさらに、文化芸術出版社に対し、主流新聞上に謝罪広告を出し、損害賠償金として50万元を支払うよう求めた。
謎を呼んだのは、被告側の代理人を務める弁護士が6日に「07年6月に渡辺氏がサインした『愛の流刑地』の出版契約書」とされる証拠物件を提出し、被告の行為の合法性を主張したこと。この代理人によると、この出版契約は渡辺氏と文化芸術出版社と上海喜二文化公司の3者が共同で結んだもの。渡辺氏は4万2千元の印税も受け取っているという。
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