全世界を席巻する金融危機が日増しに厳しくなる経済情勢の影響で、数多くの外資系企業が対中投資計画の延期や中止を行い、事業規模を収縮している。そうした中で、日本の製紙業界では最大規模、世界でも6番目の王子製紙は、かえって中国市場での事業を拡大している。
王子製紙と南通経済技術開発総公司が共同出資した、江蘇王子製紙有限公司が工事を開始した。投資総額は約20億ドル。このプロジェクトは、日本の対中投資事業としては過去最大で、今のところ外資系企業としては最大規模の対中投資である。
王子製紙中国事業部の渡辺正本部長は、「中国の紙の消費量は世界2位で、年内には米国を抜いて1位になる可能性が高い。日本ではすでに飽和状態で、新たな成長は見出し難い。しかし中国での需要量は年に10%以上増えており、中国で新たな発展を遂げたい」と、南通には世界最進設備や、環境保護の技術を導入する。そして「中国市場は非常に大切で、絶対に失敗することはできない」と、中国市場に対する強い期待と熱意を隠さない。
今回、着工された第1期工事は、投資額19億5400万ドル。登記資本金は9億1200万ドルで、王子製紙側が90%、南通経済技術開発区総公司側が10%出資する。最初の生産ラインは、2010年の下半期に生産をスタートする予定だ。
「チャイナネット」2008年11月25日 |