ホーム>>中日両国>>政治
日ロ関係に波風
発信時間: 2009-01-30 | チャイナネット

日本外務省は28日、北方四島に対する08年度の人道支援の中止を決定した。日本側の職員が現地ロシア人住民に医療物資を支援するため船で国後島へ向かったが、ロシア側から出入国カードの提出を要求され、交渉が決裂したことが原因だ。日本側職員はカードの提出を拒否し、北海道の根室港へ引き返した。河村建夫官房長官は28日の記者会見で、この問題についてすでにロシア側に抗議したことを明らかにした。

児玉和夫外務報道官は同日の記者会見で、カードを提出すれば、国後島をロシア領と認めることになるとして、ロシア側の姿勢を「理解に苦しむ」と批判した。報道によるとロシア側は、06年の国内法改正で出入国者はカードの提出が必要になったと説明。すでに23日に日本側に通告していたという。

日本は03年度より、北方四島のロシア人住民に年1回人道支援物資を提供している。北方四島で施設建設などを行ってきた国際組織「支援委員会」の廃止後、元島民団体「千島歯舞諸島居住者連盟」が03年度より医療物資の無料提供を実施してきた。日本側によると06年と07年の支援では、ロシア側は出入国カードの提出を求めなかったという。今回は医薬品を含む1280万円(約98万元)相当の物資支援を行う予定だった。日本側はロシアが出入国カードの提出要求を撤回する可能性が高いと考え、支援物資を積んだ船を27日に根室港から出航させた。国後島近海に到着後、外交ルートを通じて交渉を行ったが、合意に至らなかった。

1991年の日本とソ連との合意により、日本国民と北方四島のロシア人住民はビザなし相互訪問ができることになっており、出入国カードを提出したケースはこれまでない。日本側は、ロシア側が出入国カードの提出を求め続けた場合、外交問題に発展し、両者間の「ビザなし交流」も中止に追い込まれると見ている。

ロシアのメドベージェフ大統領が先日、麻生太郎首相にサハリン島での首脳会談を提案しており、またプーチン首相の訪日も調整中であることから、双方共に今回の件で日ロ関係が膠着状態に陥ることは望んでいない。日本側は28日「これが領土問題解決を含む平和条約締結交渉に影響を及ぼすことがあってはならない」と明確に表明した。ロシア外務省は28日「政治問題化しようとする目論見は非生産的だ」との声明を発表した。両国政府は問題解決のため協議に入ることを決定。首脳会談前に双方が妥協できるか否かはまだ不透明だ。

「人民網日本語版」2009年1月30日

  関連記事
  同コラムの最新記事

· 中国、旧日本軍の遺棄化学兵器の処理推進を促す

· 賈慶林常務委員、北海道知事らと会談

· 東中国海ガス田「紛争」の経緯と解決方法

· 日韓首脳会談 共通点を求め相違点を保留

· 日本の海底資源開発計画、韓国が警戒感示す