――中国は日本にとって最大の貿易相手で、日本と中国は両方が「外需主導型」経済ですが、日中両国間の経済貿易はこれから大きな影響を受けますか?
まず貿易関係だが、日本側から見て、日中貿易は昨年通年では前年を上回るものの、第4四半期頃から、輸出入とも前年を下回っている。これは中国の対世界輸出が減速化傾向にあることが影響している。中国の対世界輸出に日中貿易は大きく影響されるわけで、中国経済が外需主導から内需主導へと転換されつつある中、日中貿易にもその影響が出ることが予想される。
日本の対中投資については、既にその傾向が顕著であるが、製造業からサービス産業への進出が期待できる。こちらは、中国経済が内需主導型に移行しつつあることが追い風になるが、今日の不況下では、対中投資の伸びはしばらく期待できない。中国は4兆元、地方ではこの額をさらに上回る投資拡大策(インフラ整備、内需刺激措置など)を講じつつあり、世界経済への波及効果が期待されているが、これが日中貿易、対中投資の回復・拡大につながるまでには時間がかかる。
今、最も重要なのは、日中とも保護貿易主義的にならないこと。内需拡大策同様、世界貿易、とりわけ東アジア経済への貢献、世界経済における発言権の行方に大きく関わってきている。
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