日本のテレビ大手・日立製作所は17日、家電小売大手・蘇寧電器と独占販売協力合意書に調印したことを発表した。合意に基づき、日立は国慶節(建国記念日、10月1日)までに蘇寧以外の量販チェーンからすべて撤退し、国慶節連休以降は蘇寧電器のチェーンと一部の百貨店、専門店でのみサンプル展示と販売を行うことになる。「国際金融報」が伝えた。
今回の独占販売合意書締結は、テレビ大手の日立が中国最大の家電量販チェーンの国美電器と袂を分かち、ライバルである蘇寧電器に全面的に依拠するようになったことを示す。日立はなぜ、国美と別々の道を歩むことになったのだろうか。
日立は最も早くから中国に進出した外資系ブランドの一つで、これまでの経営実績は30年に及ぶ。中国業務の柱の一つがテレビ業務であり、パナソニックや長虹などの各ブランドとプラズマテレビ陣営を構成し、長期にわたり液晶テレビ陣営と拮抗した戦いを繰り広げていた。その中で独自の技術的優位を備える日立は、合弁テレビブランドの陣営で中心的な役割を果たしていた。
日立数字映像(中国)有限公司の緒方浩一総経理(社長)の説明によると、日立はこれまでずっと混合販売モデルを採用してきた。大きな割合を占めていたのは、一二級市場の蘇寧電器を代表とする全国的な家電量販店の専用コーナーでの販売モデルで、一部の百貨店での販売モデルがこれを補う形を取っていた。もう一つの販売モデルは、三四級市場の各地域で独立経営する代理店を通じての販売モデルだ。
緒方総経理によると、中国市場は市場間の開きが大きく、日立はこれまで販売規模による制限を受けて、消費者研究や製品の研究開発に十分な投資を行うことができず、市場シェアを伸ばすこともできず、市場での普及活動にもコストがかかり過ぎていた。現在のグローバル経済情勢や地域環境を踏まえると、現行の販売モデルを調整し、ネットワークのカバー範囲を縮小するほか、最も効率がよく、1店舗あたりの販売利益が最も高く、日立のすべての販売業務を引き受けることが可能で、かつ日立の消費者研究や製品開発に支援を提供することのできる販売業者を選んで協力関係を結ぶ必要がある。これが現在の最良の選択だという。
今回の合意書締結を受けて、日立は一二級市場の蘇寧以外の販売場所で展示台の取り壊し、サンプルの撤収、販売員の引き上げを徐々に進めている。国慶節連休中には全国にある蘇寧の店舗でのみ販売を行い、連休以降は末端の販売サービス・アフターサービスの全業務を蘇寧に委託し、すでにある現場の販売員の編制は取り消すことになる。こうした措置により、日立の市場運営コストは大幅に減少する見込みだ。また日立と蘇寧は消費者研究や製品の開発などでの協力関係を強化し、年末までに共同の研究を踏まえて開発した薄型テレビの大量生産と販売をスタートするほか、市場普及計画の制定や販売促進活動を共同で進める予定だ。双方は、今回の戦略的協力合意の締結により、日立の中国市場シェアを10%に引き上げるとの目標は今後3年で達成できると予測する。
「人民網日本語版」2009年9月18日