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江原規由氏:「白猫」「黒猫」から「緑猫」「紅猫」へ
発信時間: 2009-12-06 | チャイナネット

「緑色世界」の創出へ向けた対応

国連気候変動サミットで、鳩山由紀夫首相は温室効果ガスを2020年までに90年比25%削減する中期目標を表明。また、胡錦涛国家主席は2020年までに2005年比で単位GDP当りの二酸化炭素(CO2)排出量を「著しく減少」させるよう努力する方針を示しました。最近、中国環境保護部(省)は、温室効果ガスに対する試験的な排出権取引を第12次5カ年規画(2011年から2015年)に織り込む方針を明らかにするなど、日中両国は、地球的環境問題に足並みを揃えた対応を取りつつあるといえます。

さらに、国連安保理のオバマ米大統領の主宰の首脳会議で「核兵器のない世界」の実現を目指すことを謳った歴史的決議が全会一致で採択されました。原子力は環境、安心・安全といった世界規模のあらゆる分野での緑色形成に大きくかかわっています。胡錦涛国家主席は国連総会での一般討論演説で「中国は一貫して核兵器のない世界を支持してきた」と強調しましたが、中国には、今後、「緑色世界」の創出で大きな可能性を秘めている原子力の平和利用(緑色発電など)での貢献を期待したいものです。

「紅猫」への期待

さて、一年前の9月、リーマンブラザーズの破綻に端を発した世界的金融危機への対応を話し合う第3回金融サミット(ピッツバーグ)でも中国の発言権が目立ちました。主要各国の経済が伸び悩む中、中国経済は、第三・四半期以降のGDP成長率が9%台に達する勢いがあり、世界経済の回復に大きく貢献できる情況にあります。

中国経済は外需依存から内需を重視した緑色経済の発展へと転換しつつあります。最近、中国は文化産業(注3)の発展を国家戦略とするなど、正に緑色産業を発展させようとしています。

新中国成立60周年を迎えた10月1日、天安門広場に国旗である五星紅旗が高々と掲揚されました。金融危機の影響で依然として世界経済の先行きに不透明感が漂う今日、「紅猫」が内外で果たす役割はますます大きくなってきているといえるでしょう。

注1 ダボス会議(世界経済フォーラム)は毎年1月、スイスの保養地ダボスに世界中の政財・メディア界を中心とするリーダーが集まり世界の経済・社会問題を論じる。毎年9月に開催されるのがダボス夏会議(大連では2007年の第1回に続き2回目)。

注2 緑色発展(緑色経済、低炭素経済といった気候にやさしい社会の建設など)は第12次5カ年規画の核心に位置づけられている。

 注3 映画制作、出版、印刷、広告、演芸・娯楽、展示・会議、コンテンツ、アニメなど。鉄鋼、自動車、紡織、装備製造、船舶、電子情報等産業に続く第11番目の産業振興分野として、「文化産業振興規画」が発表される予定。



 

「人民中国インターネット版」より 2009年12月6月

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