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japanese.china.org.cn |12. 11. 2020

<専門家がズバリ!>輸入博の出展に積極的な日本企業(動画)

タグ: 輸入博 日本企業 消費品 トヨタ ユニクロ

    第3回中国国際輸入博覧会が11月5日から10日にかけて、上海で開かれました。過去2回の輸入博覧会で、日本企業は全6つの展示エリアに出展し、高い注目度と注文を受けました。では、今年、日本企業はどのような状況だったのか、一緒に見てみましょう。


 自動車展示エリアにトヨタは3年連続で出展し、未来感のある商品を展示しています。世界の自動車業界は感染症の影響を受けましたが、トヨタは今も中国市場の潜在力に期待しています。


 今回トヨタのブースでは、環境、交通、高齢化こういった中国の社会課題にお応えしていく、トヨタの取り組みに加えて、移動の喜びを表現しておりますGRブランド、11月1日に公表したばかりのブランド、こちらを中心に展示しています。その中でも、今回ではね、環境の中の取り組みの一つとして中国で初めて国産化をしたコスター、こちらについて、水素自動車に変革を遂げようとしておりますので、そちらの試作車の展示をしております。トヨタとしてはですね、中国でお選びいただける企業、こういったブランドに目指していきたいと考えております。そういった中で、中国のお客様と共に、中国の社会と共に、トヨタとしては一緒に、環境、交通、高齢、主にこういった分野で貢献していきたいと考えております。


 服飾・日用消費品展示エリアには中国で急成長を遂げたある日本企業が出展しています。中国での直営店舗数がすでに日本を超えたユニクロです。ユニクロは10のイノベーションブースを設け、6項目のアパレルテクノロジーを紹介しています。ブースの広さやデザインへのこだわりから中国市場をいかに重要視しているかが伝わってきます。ユニクロ大中華エリアの呉品慧(ウー・ピンフイ)CMOは記者会見で、「コロナの期間中にユニクロは商品に対するポジショニングを改めて行いました。5月の売上高は昨年同月と同じ水準に回復し、店頭での売上は昨年を上回りました。6月から10月にかけて中国全土で44店舗を新たにオープンしました。その半数が中小都市です。」と話しました。中国の中小都市の市場には非常に大きな消費拡大のポテンシャルがあります。呉CMOはこのほどのインタービューでも、「ユニクロは今後も中国市場に対して自信を持って投資を続け、さらに多くの二、三、四線都市への進出を加速させ、中国市場を開拓していくつもりです。」と表明しました。


 医療機器や医薬・保健展示エリアは今回の輸入博覧会で最も人気を集めたエリアで、日本からも多くの企業が出展しました。

 

 武田製薬の副総裁兼医学事務責任者の陳傑氏は「武田が中国国際輸入博覧会に出展するのは今回で2回目です。今回は千羽鶴のブースを用意しました。千羽鶴という縁起物を通じて中国の人々に幸を届けたいとの思いが込められています。今回の武田の最大の見どころは、腫瘍、消化管、希少疾患、神経科学という4つの分野の最新の製品をいち早く中国にお届けしていることです。我々は今後5年間で15以上の新製品を中国に投入することをお約束し、中国政府と協力してより多くの患者さんにサービスを提供したいと考えています。」と強調しました。


 新型コロナウイルス感染症の流行が今も世界で続き、各国の経済にそれぞれ衰退が見られているため、景気回復は各国の重要課題になっています。中日両国は重要な貿易パートナーであり、ポストコロナ時代の両国の貿易はどのような動きとなるのか。最も回復をリードする可能性が高いのはどの分野か。JETRO上海事務所の水田賢治所長に話を聞きました。


 現在、日本から世界への貿易額が今年の1-9月の状況で大幅に貿易総額が減少しているが、たとえばアメリカ・EU・アセアンについて、去年1-9月に比べてマイナス20%ぐらい減少しています。それに対して、中国は4%しか減少していません。現在、日本から世界への貿易総額に占める中国の割合が全体の24%、国別で一位です。中国はコロナがかなり抑えられていて、復工復産がなされています。今後コロナが落ち着いた後、さらに日中の貿易額が拡大していくと思います。
中国で展開する日系企業はほぼコロナ前の水準に戻ってきていると思います。コロナによってなかなか病院にいくのを控えるということで、画像診断技術で遠隔で体の状態を見る、そういったものは中国でもすこし進んできていますが、画像診断設備を作る技術は日本が進んでおり、今後そういった分野で日中の新しいビジネスが始まっていく可能性が期待できます。
輸入博覧会は中国の国家イベントとして今年第3回目を迎えます。日本は人口が少しずつ減ってきていて、国内市場が増えない中で、日本は海外に物を輸出したい。今回のイベントは中国が海外からモノを輸入するものであり、日本と中国の思惑が双方一致している非常にすばらしいイベントと思います。出展する日本企業も成果が出ていると思います。


 中国は感染症対策を徹底して予定通り輸入博覧会を開催し、開放の扉を広げるという確固たる姿勢と、世界各国と互恵・ウィンウィンを続ける決心を世界に示しました。中日間の経済貿易協力が輸入博覧会に後押しされてよりステップアップすることに期待しています。

 

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