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japanese.china.org.cn |07. 02. 2022 |
小林正弘氏:北京市民のオリンピックの過ごし方
文・写真=小林正弘
清華大学法学博士
Genuineways.Inc ブランド保護顧問
2月4日、待ちに待った北京冬季オリンピックが開幕した。北京在住14年目になる私も家族と一緒にテレビの前に釘付けになっている。6歳になる娘は「中国頑張れ!」「日本頑張れ!」と熱い声援を送る。抜けるような青空と真っ白な舞台に登場する選手たち、裏でサポートに徹するスタッフとボランティア、世界の各地からエールを送る観衆、一人ひとりのコロナ禍での現実と今回のオリンピックへ至る道のりの険しさを思うとき、「北京冬季オリンピックが開催されて本当によかった」と心から実感した。
本当は会場に行って、一目でも選手たちを見たい、世界の大観衆と一体となり、できる限りの声援を送りたい、それが多くの北京市民の本音だと思う。
でもそんなことで落ち込んでいる人々は私の周りにはいない。みんなこの特別なオリンピックの瞬間を楽しんでいるようだ。
北京市内の至る所で見かけるビンドンドンとシュエロンロンのマスコット。天安門広場を望む前門でも春節を祝う大型のビンドンドンとシュエロンロンが登場し、行き交う多くの人々が足を止め、恰好のフォトスポットとなっている。
競技会場の外でライブ中継をする熱い中国人もいる。寒風に負けず、街頭で応援横断幕の寄書集めに精を出すボランティアの青年たち。選手達の活躍はリアルタイムでウェイチャットなどのSNSを通じてシェアされ、感動が瞬時に広がっていく。それぞれが自分なりにオリンピックとつながり、思い思いにエールを送り、感動と熱気を分かち合っている。
私自身もこれを機に子供にウインタースポーツを体験させようと頤和園へ行ってきた。頤和園の昆明湖は、湖全体に厚い氷が張り、壮麗な天然のスケートリンクとなる。冬休み中ということもあり、多くの子供たちが押し寄せていた。子供たちは椅子型、犬型、自転車型などのそりで湖面を縦横無尽に滑り回り、歓声が周囲にこだまする。湖の周りには歴代オリンピックとマスコットを紹介したパネルや冬季オリンピック種目の解説パネルが設置されいた。長野、バンクーバーなど記憶に残るパネルを発見し、当時の感動が脳裡に蘇り嬉しくなった。
今回の北京冬季オリンピックはどのように記憶され、語り継がれていくのだろうか。そのドラマは今まさに始まったばかりである。同時に、国連はオリンピック開幕7日前からパラリンピック閉幕後の3月20日までの期間、世界のあらゆる紛争の休戦を呼びかけている。選手たちの健闘とコロナの早期収束、そして平和な世界の実現への思いを込め、私も娘と共に、応援横断幕に「冬季オリンピック頑張れ!」と綴らせて頂いた。北京冬季オリンピックが永続的な平和の道を見つけ、世界各国の民衆が団結し、「ともに未来へ」手を携えて進むチャンスとなることを祈りつつ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月7日