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japanese.china.org.cn |11. 02. 2022

フィギュアスケートの美はスポーツの美、羽生選手が教えてくれたこと

タグ: 羽生結弦 4回転半ジャンプ 北京冬季五輪
中国網日本語版  |  2022-02-11

 北京冬季五輪フィギュアスケート男子シングルの会場に、世界中の注目が集まった。

 

 ショートプログラムで8位、米国人のネーサン・チェンに19ポイント弱の差をつけられていた日本の羽生結弦選手はフリーに出場し、最初から前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ、4A)に挑戦した。

 

 羽生選手は4Aが金メダルをもたらすとは限らないことをよく知っていた。国際スケート連盟の採点法によると、4Aはトップではあるが2位をわずか1ポイント上回るだけで、4Aでは19点の差を補うにはまったく不十分だ。

 

 ジャンプし、回転し、リンクに転倒する。羽生選手は最終的に4位となり、メダル獲得はならなかった。

 

 観客はため息をついた。4Aの挑戦にこだわらず難易度を下げていれば、完璧な演技を披露し、メダルを獲得していただろう。

 

 羽生選手がミスのない、目と耳で楽しむ祭典をもたらすことが期待されていた。羽生選手がその芸術の表現力により多くの人の心をつかんでいたからだ。フィギュアスケートの美は、目と耳の音楽の美、ダンスの美を総合し、一曲の時間で人々をぐっと引きつける。羽生選手がまさにそうで、多くの観客を魅了した。ところが彼の果敢な挑戦は、フィギュアスケートの美の中身が、やはりスポーツの美であることを教えてくれた。

 

 優勝がスポーツの唯一の意義であることは永遠にない。ライバルに挑戦するよりも重要なのは自分に挑戦し、自分を始めとする人類の極限に挑戦することだ。金銀銅を超越し、より速く、より高く、より強く。挑戦に完全な成功はないが、失敗も美ではなかろうか。次々と回転、ジャンプし、倒れては立ち上がる選手たちの、勇敢に夢を追いかける闘いの姿勢は、五輪の歴史に永遠に刻まれることだろう。

 

 演技終了後、羽生選手は足元の氷にそっと触れた。その時、首都体育館のリンク上に五輪の光が輝いた。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月11日