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japanese.china.org.cn |02. 06. 2022

日本の歴史修正主義、数々の危険を露呈

タグ: ロシア 日本 歴史 侵略 安全 麻生
中国網日本語版  |  2022-06-02

文=項昊宇 中国国際問題研究院アジア太平洋研究所客員研究員


 ロシアとウクライナの衝突後、日本は欧米に追随し厳しい対露制裁を実施した。国内の「反露」一辺倒の世論を受け、右翼・保守勢力が不穏な動きを見せている。国際世論を利用しロシアの隙を突き、軍国主義の侵略の歴史を覆し、名分をただそうとしている。

 

 日本自民党の麻生太郎副総裁は先ほど党内の会合で、第二次大戦中にロシア側が一方的に「日ソ不可侵条約」(「日ソ中立条約」)を破り、日本に侵略を仕掛けたと述べた。自民党元幹事長の石破茂氏は以前、日本は旧ソ連に侵略された歴史を決して忘れてはならないと述べた。この日本が「侵略」されたという論調は驚きであるが、日本国内ではそれほど注目されていないようだ。

 

 旧ソ連は1945年4月5日に日本側に対して、日本が反ソ戦争を行うドイツを支援し、かつ旧ソ連の同盟国である米英と交戦していることから、中立条約はすでに意義を失ったとして1年前倒しで破棄すると通達した。旧ソ連は8月8日に正式に日本に宣戦布告した。旧ソ連軍は日本の関東軍に強く攻勢をかけ、頑強に抵抗していた日本軍国主義に真っ向から痛撃を加え、日本の敗戦を早めた。反ファシズム戦争の勝利に重要な貢献を成し遂げた。

 

 日本軍国主義の侵略の歴史に定説が備わった今日、ロシアとウクライナの衝突を利用し侵略の歴史を覆し美化しようとする日本の一部の政治勢力のやり方が、人々に歯牙にもかけられないことは明らかだ。日本のロシアへの態度は間違った歴史観を反映しており、その影響は日本と第二次大戦の被害国との関係のみに留まらず、日本という国の発展の道と地域の平和・安定にも関わる。軍事安全政策の調整を進める自民党政権の一連の動向と結びつけると、日本の歴史修正主義は多くの危険性を露呈している。

 

 (一)「被害妄想」による国家意識の「安全問題視」。戦後長期に渡り、広島と長崎の原爆投下や東京大空襲など、日本国内の第二次大戦の歴史の反省は自身の「被害者」としての部分に集中し、歴史の真相のもう一面、つまり日本が「加害者」として何をしたか、アジアの隣国は日本の侵略によりどのような苦しみを経験したかに関する言及を避けている。この偏狭な歴史観は日本社会の強い「被害者意識」を生んだ。近年、中国の発展や朝鮮問題を受け、日本の一部の人物はアジアの隣国が「復讐」することを恐れ、被害妄想をますます激しくしている。日露関係の悪化に伴い、日本の一部の政治家は日本が「中朝露の3方向の脅威」に直面していると騒ぎ出し、かつさまざまな大袈裟な「対日軍事攻撃」を憶測している。これを背景とし、日本は「防衛白書」や「外交青書」などの政策文書の中で、「外部の安全環境が深刻」と躍起になって喧伝し、さらには対外経済協力にも「安全」の中身を持たせている。国内外の政策が日増しに「安全問題視」という頑なな方向を示している。

 

 (二)保守政治の主導による対外政策のポピュリズム化。日本の間違った歴史観の根源となっているのは、戦後の清算の不徹底だ。米国は冷戦の需要により、日本を反共産主義の防波堤とし、軍国主義勢力の残党を徹底的に清算せず、さらには軍国主義と切っても切れない関係を持つ保守勢力の政権発足を力強く支援した。国内外の拘束を受けない間違った歴史観が大手を振って歩き、日本の自民党は小泉時代からポピュリズム政党へと変化した。過去の主な動力は「反中・嫌韓」で、現在は「中国けん制・反露・朝鮮対抗」に変化している。これは自民党の主な権力の出処の一つだ。

 

 (三)膠着した戦略的思考による社会の思考の極端化。ロシアとウクライナの衝突後、日本の自民党政権は国際安全環境の変化を、改憲・強軍による「正常な国化」を急ぐためのチャンスとしている。エリート集団の政治的操作と世論の操作により、日本国内では「強軍と戦備」というポピュリズムの主張が盛んになっており、平和主義と反戦主義が弱まっている。政界、メディア、学界は理性的で多元的な政策の思弁を失い、日本の対外戦略的思考がますます膠着し極端になっている。

 

 対中戦略を例とすると、日本は近年、中国が「力により現状を変えている」という説をでっち上げ、「中国の脅威」を大袈裟に騒ぎ立て、積極的に米国の中国けん制の「手先」になり、地域で中国包囲という陣営の対抗に熱中している。中日は事実上、国際法の効力を持つ「中日平和友好条約」を締結しており、現実的に両国の経済は相互依存し、地域の産業チェーンに深く浸透している。日本社会はこれを理性的に認識しておらず、「中国の脅威」の真偽についても議論と分析が見られない。日本のエリートは冷戦思考に陥り抜け出せなくなっており、日本の動向が危ぶまれている。

 

 日本は近代以降、国運を賭け一か八かの勝負に出た。変革と台頭の成功経験があれば、深い災いをもたらした痛ましい教訓もある。日本の為政者は、ツキが長続きすることはなく、外部の危機を喧伝しでっち上げることで特定の政治的目的を支えようとしても日本を再び強くできず、絶対の安全をもたらすこともできず、最終的により大きな安全の苦境に立たされるだけであることをはっきり認識するべきだ。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年6月2日