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japanese.china.org.cn |28. 07. 2022

日本人が見た中国の津々浦々⑤中国国歌の作詞者・田漢故居訪問記

タグ: 50周年 田漢 交流 故居
中国網日本語版  |  2022-07-28

文・写真=小林正弘 


清華大学法学博士 


Genuineways.Inc ブランド保護顧問

 

 6月中旬、携帯のビデオチャット越しに「中国の国歌を歌えますか?」と聞かれ、「曲はわかりますが、歌はむずかしいです。でも娘は歌えると思います。」と答えた。これが、中国国歌「義勇軍行進曲」を作詞した田漢の姪・田偉先生(東方文化芸術団団長)との出会いとなった。田先生は日中国交正常化50周年と魯迅仙台留学120年を記念して魯迅の学んだ東北大学の階段教室で魯迅の足跡と田漢の一生について講演された際に、私の実家を訪問されたのだ。


 著名な劇作家、詩人・田漢(1898-1968)は1921年から6年間、その多感な青年時代を東京都文京区で過ごし、演劇を学び、帰国後も日本の文化人と幅広く友好を深めた。文革によって獄死した後、1979年に名誉回復がなされ、北京で盛大な追悼式が挙行された。



 後日、田先生から「北京東城区細管胡同9号田漢故居、是非見に行って下さい」とのメッセージが届いた。場所を地図アプリで確認すると建国門の職場から自転車で15分。早速、細管胡同9号へと向かった。



 細管胡同の入り口の壁には田漢の代表作品が写真や音符などで紹介されていた。さらに胡同を奥に進むと、質素であるが由緒ある佇まいの門構えが見えてきた。瓦や柱に施された優雅な装飾には文革の傷跡も残っている。「前へ、前へ、さらに前へ」(義勇軍行進曲の一節)と民衆を鼓舞した田漢とご家族の偉大な足跡が偲ばれた。同時に、どんな困難にも屈しない田漢の精神を継承し、文化の力で日中友好に邁進する田先生の生き方に胸が熱くなった。


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