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japanese.china.org.cn |28. 09. 2022 |
楊伯江氏:成果振り返り思い新たに
中国社会科学院日本研究所所長 楊伯江=文
中日は国交正常化50周年を迎えようとしている。この50年間、両国は貿易、投資、技術、地域協力の分野で相互理解を深め、長所で互いを補完し合い、互恵・ウインウインを実現するために努力し、人的交流や社会管理の分野での交流・協力も重要な成果を上げてきた。
過去50年間、中日関係は多くの浮き沈みや嵐に耐えてきたが、全体的に平和と協力というボトムラインを守ることができ、両国の発展と国民の幸せ、そしてアジアと世界の平和と安定に大きく貢献した。
しかし、複雑で厳しい国際情勢の中で、両国間の意見の相違も大きくなり、対立・競争は激しくなっている。われわれは、50年の歴史から経験と教訓を学び、知恵と啓発を探るべきだ。
2019年4月24日、習近平国家主席は日本首相の特使として訪中した自民党の二階俊博幹事長と北京の人民大会堂で会談した。習主席は、中日双方は四つの政治文書が定めた各項目の原則を順守し、平和と友好という大きな方針を堅持し、互恵協力を深め続け、両国関係の健全で安定した発展を推し進めなければならないと指摘した(cnsphoto)
第一に、中国と日本は平和と協力というボトムラインをしっかりと守る必要がある。特に、過去百年なかった国際情勢の変動と新型コロナの流行が重なるという複雑な局面の下、この点はいっそう重要だ。長期的・大局的な視点に基づき、中日関係の安定と改善の重要性、必要性、現実性を的確に把握し、中日関係の安定的発展が両国の根本的利益および地域と世界の長期的利益にかなう賢明な選択であることを真に理解する必要がある。
第二に、経済協力は中日関係の安定的発展のためのバラストとプロペラであり続ける必要がある。1971年に9億1360万㌦だった中日間の貿易額は、昨年では3714億㌦と406倍以上にも増加している。日本の内閣府が発表した報告書「世界経済の潮流2021 II」は、「仮に輸入先国の中国で何らかの供給ショックや輸送の停滞が生じ輸入が滞った場合には、米国やドイツと比較して日本ではより多くの品目でほかの輸入先国への代替が難しくなる」と指摘している。中国の立場から見ても、新興産業やハイテク分野では日本と協力できる余地が多い。
第三に、中日間の対話は、歴史や地域・国際秩序の構築という深いテーマに触れる必要がある。戦後、日本は米国の主導で「サンフランシスコ平和条約」に署名して戦後処理を目指したが、この条約は米国を中心とした欧米諸国を対象としたもので、日本の軍国主義の侵略による被害を最も受けていた中国など、アジアの主要な隣国は対象外であった。この点で、日本は「補習」を通じて、真に歴史と向き合う必要がある。また、中国と日本は、将来を見据え、アジア太平洋地域の各国が対等に参加する、統一的で相互に不可分な政治・安全保障秩序の構築に向けて、戦略的かつ建設的な対話を行うことが必要である。
第四に、中日両国は「小異を残して大同につく」必要があり、国交正常化の初心を忘れてはならない。50年を経て、中日関係の発展は主に構造的相互補完性に基づく経済協力に焦点を当て、両国は長所で互いを補完し合い、相互依存と互恵・ウインウインを通して、自国ないしアジア太平洋地域、世界の経済に多大な貢献をしている。しかし、両国は基本的な制度が異なり、多くの文化的価値観を共有しているが、政治的価値観には相違がある。そのため、冷戦思考を捨て、相互理解を深め、相違を適切に処理した上で文明間の対話を行い、人類史と世界文明の観点から両国関係の将来について考える必要がある。