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japanese.china.org.cn |12. 11. 2022 |
「中国と中日関係のいまを知るための対話」が開催
元共同通信客員論説委員の岡田充氏は、「地球温暖化やパンデミックなど世界的課題を前に、14億の人口大国が貧困脱却の難関を突破し、小康社会(いくらかゆとりのある社会)を全面的に実現した。これは容易なことではない」と評価し、「中国の国際的影響力が著しく向上したのは明らかだ。影響力拡大の源は経済にあり、日本や西側メディアがよく強調する『軍事』にはない。もはや欧米の統治と価値はグローバルスタンダードではないことは、地球温暖化とコロナパンデミックによって明白になった、多極化する世界秩序をリードする中国から学ぶ『相対的視点』の確立が必要だ」と指摘しました。
清華大学国際関係学部の劉江永教授は発言の中で、「貧困脱却のプロセスにおいて日本の団体や個人を含む多くの国の人々から応援を受けていたのは事実だ。多くの国や地域組織あるいは団体に開放と協力を堅持することは、国民が幸せでゆとりのある生活を送らせるためであり、中国共産党の執政理念でもある。これは全人類共通の価値観にある重要な一環だ」との見方を示しました。
明治学院大学国際平和研究所の石田隆至研究員は、「報告は中国国内の課題を主に扱っていながら、その内容には一国の枠を越えた先駆的な可能性を含んでいるものも少なくない。『一帯一路』『人類運命共同体』が、周辺地域の経済的支配を図るものではなく、多様な経済・政治体制や文化、宗教を抱える周辺国との違いを残したまま、地球上の国々がいかに協同的に発展していくかを志向する共生事業であることも見えてくる」と指摘しました。さらに、「侵略、植民地化、資源略奪、内外の搾取等を厭わず経済成長に偏重した従来型の発展モデルから、協調、対等、環境優先、民衆の利益を重視した暮らしの質を高める新たな平和的発展モデルを具体化させているのが、中国の創新である」と評価しました。
また、北京大学経済学院の汪婉特任教授は、「世界では、政治体制、歴史、文化、宗教など、異なるバックグラウンドを持つ国々がある。各国の歴史文化と社会制度の違いは対立と対抗の理由にはならない」と述べたうえで、「日本企業は日本政府に対して求めている『米中のバランス』と『安全保障と経済活動のバランス』という『2 つのバランス』で、中国と日本との経済の相互依存関係が非常に深く、離れられない関係となっている」と指摘し、今年1月に発効した『地域的な包括的経済連携(RCEP)』などを活用して、両国の経済協力の拡大に期待を寄せました。
沖縄国際大学沖縄経済環境研究所の特別研究員泉川友樹氏は「日本のメディアは第20回党大会のことをどうも政治面から捉えがちだが、経済や科学技術、開放、持続的な開発など、より豊富な内容はまだ取り上げられていない」との考えを示し、「中国のないグローバル化はうそのグローバル化であり、『人類運命共同体』や『共同富裕』などの理念こそ、時代の問いに対する正解だ」と指摘しました。
上海国際問題研究院中国外交室の蔡亮主任は、「中国式現代化は、主に質の高い発展、全過程の人民民主、国民の共同富裕、人類運命共同体からなることである。人類命運共同体は、民族や国家の枠組みを越え、国際紛争に対して多様性を尊重し、自国の発展とともに、世界の平和と発展を推し進める中国の方案だ」との見解を述べました。
「中国国際放送局日本語版」2022年11月12日