中日両国> |
japanese.china.org.cn |14. 07. 2023 |
北京大生ボランティアが語る 映画『スラムダンク』先行上映会での体験談
北京大学国際戦略年シリーズイベントの一つとして、人気バスケットボール漫画『スラムダンク』の映画『THE FIRST SLAM DUNK』が4月15日午後、北京大学の邱徳抜体育館で封を切られた。4000人もの学生・教職員及びメディアの関係者が上映会に駆けつけ、また、中国語版映画の声優7人、中国の映画監督の大鵬氏、兪白眉氏、易小星氏も登場した。来場者はワクワクしながら青春時代ならではの情熱をもう一度味わい、会場はにぎわいを見せた。この素晴らしいイベントは、100人を超える学生ボランティアによって支えられた。
私もボランティアの一員であり、上映会当日は主に会場の3階で来場者の誘導・案内を行った。実は、準備期間中、すべての来場者に最高の体験をしてもらうため、ボランティアの配置を調整したり、ディテールを確認したりし、深夜まで作業する日もあった。巨大なスクリーンが短時間で設置され、数千件ものプレゼントが包装されたのを目にし、これまでにない規模のプレミアの準備はさすがに大変だと感じた。当日、予定通りに会場内外で活動に取り組むボランティアたちの姿を見て、チームリーダーとして自分も嬉しくなり安心した。
『スラムダンク』北京大学プレミア上映会でボランティアを担当する筆者
映画が始まると、湘北がシュートを決めるたびに会場内で歓声や拍手が湧き起こり、まるでリアルに試合が行われているかのようだった。『スラムダンク』は「スポ根アニメ」の典型で、そこに反映されたスポーツへの熱狂と諦めない精神に没入し、青春の記憶を呼び起こされた人たちはみな涙をにじませた。桜木花道と流川楓が手を合わせる名シーンを見てバスケへの情熱が蘇り、夢のために頑張る力を覚えたという声が多く聞かれた。最後に、テレビアニメ版のエンディングテーマ『世界が終わるまでは』の大合唱が沸き起こったとき、これは青春にほかならないと実感した。『スラムダンク』は青春時代の思い出だけでなく、大切な勇気を与えてくれるからこそ広く好かれるのだろう。それは、思い通りにいかなくても諦めずに努力し続け、好きな道を毅然と歩んでいく勇気といえる。
「ゼロコロナ」政策の全面緩和を迎えた最初の年、中国市場に進出した日本の映画が急増した。今年、すでに公開された、または公開予定の映画数は過去数年間の公開本数の合計に迫っている。映画というのは個々の孤立したストーリーだけではなく、異文化を垣間見る窓口ともいえる。中日両国は地理的に近いため、切っても切れない文化的つながりがあり、日本の映画はわりと受け入れられやすいのではないだろうか。また、日本アニメの不思議な設定や魅力的な展開は、多くの中国人の幼少・青春時代を楽しませた。そういう彼らは今や映画産業の消費の主力軍となっており、若い頃を思い出すような映画を支持したいのも当然なことだろう。
新海誠監督も今年3月に新作『すずめの戸締り』を携えて北京大学を訪れた。入場券を求める学生の列は300メートルにも達する大盛況となった。「中国のアニメをご覧になることがあるか」という学生からの質問に対し、新海監督は同じく猫のキャラクターが登場する『羅小黒戦記』を挙げ、「大変素晴らしい映画で、本当に感激した。大臣(『すずめの戸締まり』に出たねこ)の動きの参考にもした。これからも中国の素晴らしいアニメーションを楽しみにしている」と答えた。
国際戦略年シリーズイベントはまだまだ続く。今後、中日両国間の文化交流のより一層の繁栄が期待される。
(文・写真=劉牧原 北京大学日本語通訳修士)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年7月14日