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japanese.china.org.cn |14. 12. 2023

日本の対東南アジア投資が消極的に、かつてのリードを取り戻せるか?

タグ: 東南アジア 投資 円高 
中国網日本語版  |  2023-12-14

 日本メディアはこのほど、東南アジア向けの対外直接投資が急増する中、かつて対東南アジア投資を主導した日本が日増しに消極的になっていると伝えた。これは特に投資拡大を続ける中国や米国と比べると顕著だという。データによると、日本の2018−22年の5年間の対東南アジア投資は435億ドルのみと、過去20年で最低の水準となった。日本企業の対東南アジア投資のこの低迷は、日本メディアから懸念されている。

 近年、東南アジア諸国の総合的な実力が持続的に向上し、成長の潜在力が持続的に顕著になる中、同地域は日増しにアジア太平洋の地政学及び経済構造における「緩衝地帯」とされるようになった。東南アジアの産業チェーン、サプライチェーン、バリューチェーンの競争に加わる国が増え、地域の投資構造の新たな変化をもたらした。これを背景とし、日本企業の対東南アジア投資に「消極的」な姿勢が見られ、次の3つの傾向が浮かび上がってきた。

 まず、日本の基幹産業の再構築により、日本の対外投資全体における東南アジアの地位が低下した。産業の重心が半導体、新エネ車、水素電池などに移り変わる中、一部の日本企業の投資理念に「経済安全」が混ざり日増しに保守化し、投資拡大と地政学的な浸透に伴い技術のリードを徐々に失うことを懸念している。これはハイエンド製造業へのモデル転換と高度化を目指す東南アジアと食い違っている。

 次に、日本政府の投資誘導に微妙な変化が生じている。日本政府はかつて「経済外交」により日本企業の対東南アジア投資を後押しすることが多かったが、現在の岸田内閣は「経済安全」さらにはより直接的な「安全保障」により制限することが増えている。その結果、日本企業の対東南アジア投資は「国家安全」や「地政学的駆け引き」というレッテルを貼られるようになり、その対外投資がますます慎重になっている。また安保などの援助型の投資規模が日増しに、工場や設備などの経済・貿易投資に置き換わっている。

 さらに「亡国円安」の悪影響が深刻化している。日本の経済学者の野口悠紀雄氏が今回の円安を「亡国」と呼ぶのは、日本という国と国民の経済条件をより悪化させるだけでなく、日本企業の対外投資能力に深い影響を及ぼし、外国人の日本で働く熱意に大打撃をもたらしたからだ。そのため日本企業の対東南アジア投資の「消極」は、「亡国的」な円安の影響も受けている。

 この苦境を受け、日本企業は投資協力の互恵の原点に回帰し、市場の法則を守り対東南アジア投資競争に参加し、経済戦略によりかつての有利な地位を取り戻す必要がある。同時に対東南アジア投資競争の新モデルを模索するべきだ。日本企業の対東南アジア投資の基礎はまだ残っており、今後はいわゆる「安全リスク」のためにこの大きな事業を放棄するべきではない。さらに日本政府に経済環境の最適化を促し、「経済安保」という物差しを乱用するのではなく、企業の対外投資に現金の経済支援を行うよう求めるべきだ。

 (筆者・笪志剛 黒竜江省社会科学院北東アジア研究所研究員、北東アジア戦略研究院首席専門家)

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月14日