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japanese.china.org.cn |11. 06. 2024 |
北京市海淀区学生芸術祭の選抜試験に付き添って=小林正弘氏
文・写真=小林正弘
清華大学法学博士
Genuineways Law Firm パートナー
5月下旬の週末早朝6時過ぎ、北京市海淀区学生芸術祭「京劇」部門に参加を希望する小学3年の娘に付添い、選抜試験会場の北京八一小学校に車で向かった。朝5時に起きた妻と娘は後部座席で眠っている。選抜試験は午前8時半開始なのだが、京劇のメイクと衣装の準備に1時間半程かかるので時間はギリギリである。
朝7時、参加者の待機場所となっている北京八一小学校の学生食堂に到着すると、すでに多くの小学生達とその家族が集まっていた。最新式の学生食堂はとても明るくきれいに清掃されており、掲示板にはごみの分別方法の説明があるなど、教育水準の高さだけでなく「食」そのものを非常に重視する姿勢が感じられた。その食堂の床には至る所に旅行用スーツケースが広げらており、テーブルには京劇衣装、メイクセット、小物などが所狭しと置かれ、専門の化粧師が休む暇なくメイク作業にあたっている。京劇の演目は学生が自由に選べるため、演目によってメークや服装が各自異なっている。幾つもの旗を背負った荘厳な衣装や孔雀の羽がついた美しい髪飾りなどを身にまとった子供たちが真剣に発声練習や振り付けの最終確認している姿を見ていると「自分の娘は大丈夫だろうか」とこちらまで緊張してくる。
寝ぼけていた娘も三人の化粧師の先生方のお陰出で見事な「桃花村」の春蘭に変身した。すると間もなく、試験会場へ移動のアナウンスが聞こえてきた。参加者は学年ごとに整列して試験会場へと向かう。保護者が付き添えるのは試験会場の手前まで。あとは子供が一人ずつ順番に試験会場に入り、3名の審査官の前で演技を披露する。
娘の演技の出来栄えを私は知る由もないが、同世代の子供たちが真剣に京劇に取り組む姿に娘は大きな触発を受けたに違いない。中国伝統文化の真髄・京劇を活き活きと学ぶ子供達の今後の成長と活躍が楽しみだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月11日