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japanese.china.org.cn |26. 06. 2024

中国新エネルギー車が海外で歓迎される理由とは?

タグ: 電気自動車 関税 競争力 部品 テスラ
中国網日本語版  |  2024-06-26

文=小林正弘

清華大学法学博士 

Genuineways Law Firm パートナー

最近、南米、東南アジアで中国電気自動車メーカーの新エネルギー車販売が急増し、電気自動車市場を牽引している。例えば、ブラジルにおける2024年1月から4月までの中国電気自動車の販売台数は4.8万台に達し、昨年同時期比で8倍に伸びている。現在、EUが対中国製電気自動車への追加関税を強化しようとしているのも中国電気自動車企業の勢いを証明するものといえよう。

BYDの電気自動車を撮影するブラジルエルサルバドル市民(撮影:新華社記者・王天聡)

中国新エネルギー車が海外で歓迎される理由は、中国電気自動車メーカー各社が各国の消費者のニーズに適し、かつ高度な品質と価格競争力を備えた商品を提供しているからだろう。例えばBYDの「DOLPHIN」と「ATTO3」は、日本でも「Japan EV of the year 2023」にて最高ランクのグランプリと優秀賞をそれぞれ受賞し「300万~400万円台の手の届きやすい価格でありながら、EVとしての高い性能を備え、車両を選ぶ上で価格と性能のバランスが重視されている」と評価されている。

現在、このような中国電気自動車メーカーの躍進に対し、自国市場への参入を歓迎する国や関税等による参入障壁を設定する国など、各国で対応が分かれ始めている。この点、中国が電気自動車産業を育成するために採ってきた戦略は、強力な競争相手の自国市場からの排除ではなく、市場の開放であった。当時EV業界をリードしていたトップ企業・テスラの工場を中国へ誘致し、テスラに中国でサプライチェーンを構築させ、競争原理によって中国電気自動車業界全体のレベルアップがなされた。また、中国製部品が使用された中国製テスラ車が国内外で販売されることによってテスラだけでなく、テスラに部品を供給する中国部品メーカーにも恩恵がもたらされた。

一刻の猶予も許されない地球温暖化対策および一般消費者の視点からは、市場の開放が維持されることにより、多様な選択肢が提供され、手の届きやすい価格帯でかつ高性能な新エネルギー車が広く普及することは望ましいことである。関税等による参入障壁を設定する場合、自国電気自動車メーカーのグローバル競争力を奪うことにならないか慎重な考慮が必要だ。どんなに高い関税を課しても、自国メーカーの競争力自体が強化されなければ、幅広い消費者からの支持を得ることは難しいだろう。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月26日