「日本製鉄がグローバル展開の最後のピースを埋める」――日本製鉄によるUSスチール買収が確定したことで、「日本の投資立国2.0時代が到来か」が論点となっている。
今回の買収は、資本規模、産業シナジーから戦略的意図まで、明らかな相違点を示している。第一に、日本製鉄の年間生産能力は6500万トンから8500万トンへ拡大し、世界鉄鋼産業の上位に躍進する。第二に、アメリカが「黄金株」メカニズムを通じUSスチールへの支配権を確保し、日本資本への容認を示している。日本経済産業省は、本取引は日米経済協力の深化に有意義と高く評価した。
本買収の決断はまた、世界鉄鋼産業構造、特に中米鉄鋼摩擦から深い影響を受けている。2024年の世界粗鋼生産量において、中国は53%超のシェアを占めた。日本製鉄にとって、今回の買収は中国鉄鋼産業からの競争への対処だけでなく、世界における市場シェア拡大を目指すものだ。
30年前の海外進出と比べ、日本製鉄の今回の買収はより高い主体性、協調性と規模性を示しており、経済構造転換、人口減及び同盟構造調整を背景とする、日本による世界経済秩序へのリポジショニングを体現している。ただし予想される収益を実現できるかは依然として、日本企業の統合能力、外部環境の安定性、関連政府政策の持続的支援にかかっている。日本企業のこの大博打は、前途如何にかかわらず、時間と現実の試練を経る必要がある。(筆者:龔娜 天津社会科学院アジア太平洋協力発展研究所副研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年6月18日
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