西逓村は、安徽省南部に位置し、黄山から41キロ離れたところにある。北宋時代の皇祐年間につくられ、930年余りの歴史を持つ。西逓はもともと西川あるいは西渓と呼ばれていた。村を流れる3本の渓流が東から西へ向かって流れていたことに由来する。また、徽州府の西に位置していたことから“铺递所”が設けられ、西逓と改名された。今でも残っている明・清時代の民居124棟には大量のレンガ・木・石の彫刻などの芸術性のあるものが飾られてある。黟県の境内に連綿と連なる峰は、黄山と一体となり、これまで外部の世界との交流を阻み、まるで“桃源郷”のような環境を作り出してきた。中国の有名な文学者である陶淵明がこの独特な環境や風情の影響を受けて、不朽の名作『桃花源記』を書いたことから、黟県は“桃花源の里”という美称で呼ばれるようになった。
「チャイナネット」2007年12月19日