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japanese.china.org.cn |01. 07. 2019

中国の知財権制度、国際社会に多大な貢献を成し遂げる

タグ: 知財権 中国政法 整備 革新 再確認
中国網日本語版  |  2019-07-01


 中国の知財権分野の発展について、中国政法大学教授、国際法学院長の孔慶江氏は「中国の国内における特許出願件数は7年連続で世界一で、海外での出願件数は2位、商標登録出願件数は首位だ」と話した。国際経済法、国際知財権法の専門家である孔氏は中国の各国際条約の交渉、「外商投資法」など多くの法制度の立法コンサルティングに参与したことがある。新中国成立70周年、特に改革開放から40年に渡り、中国の知財権事業は無から有、小から大への根本的な変化を実現した。

 

中国の知財権法整備、開始が遅れ急速に発展

 

 孔氏によると、中国の知財権法整備は開始が遅れた。中国は80年代に「商標法」「特許法」「著作権法」などを制定し、中国の知財権法の基礎を固めた。中国は「コンピュータソフト保護条例」「集積回路レイアウト設計保護条例」「地理的表示製品保護規定」などを含む多くの行政法を制定した。整った知財権法制度が形成された。

 

 孔氏は知財権法制度について、中国は数十年の発展を経て、多くの分野で国際社会に遅れを取っていないと強調した。中国は現在、大多数の知財権国際条約に加入している。TRIPS協定(貿易関連の知財権協定)、WIPO(世界知的所有権機関)が管理する約26の条約のうち大多数に加入しており、かつ各種方法によりこれらの協定と条約の内容を国内法に導入している。

 

知財権保護は革新を保護

 

 孔氏によると、知財権保護は革新の動力の一つで、革新の刺激と保護を提供する。革新の取り組みが保護されることで、企業は次の革新に取り組むことができ、これにより好循環が形成される。「中国の多くの企業が好循環に入っているが、これは中国の知財権保護のおかげだ」また知財権保護はビジネス環境に不可欠な部分であり、テック企業やベンチャー企業にとって極めて重要だ。中国に進出した外資系企業の発展には、同じく理想的なビジネス環境、特に知財権の保護が必要だ。世界TOP500社の資産構造を見ると、無形資産が占める割合は有形資産を大きく上回るが、無形資産のうち最も中心的なのは知財権だ。

 

中国の知財権制度の「導入」と「進出」

 

 孔氏によると、中国の知財権制度は当初、主に国際社会を参考にし、そこから導入したものだった。中国は1982年より知財権の関連法の導入を始め、それから多くの国際条約・協定に加わり、常に学習を続けている。

 

 長年の発展を経て、中国は知財権の輸出を続けているが、これは主に次の点で示されている。

 

 (一)中国の特許出願件数が世界の上位を占めているが、これは世界の知財権への貢献だ。例えばファーウェイは5G標準に必要な特許の20%を占めているが、米国企業は15%のみだ。

 

 (二)中国は2012年に締結された「視聴表演北京条約」など、数多くの関連国際条約の制定の中で重要な力を発揮している。

 

 (三)中国の知財権への行政保護は国際社会の参考になる。多くの国では知財権が侵害された場合、被害者が訴訟を起こし裁判所に判決を求めるしかない。ところが中国では、被害者は行政救済を求めることができる。これは立ちどころに権利侵害の阻止の効果を発揮した。中国の税関の知財権保護は双方向であり、知財権侵害商品は輸出も輸入も許されない。

 

 (四)最後に、中国の知財権戦略は世界に対する最大の貢献だ。これには知財権の創造・利用・保護に関する各方面が含まれ、革新的な経済発展における知財権の力に対する中国企業の認識を深めた。孔氏は、知財権の取り組みを国家戦略レベルに引き上げることは、国際社会、特に発展途上国の参考になると判断した。

 

「外商投資法」、知財権保護を再確認

 

 第13期全人代第2回会議では「中華人民共和国外商投資法」が可決され、2020年1月1日より施行となった。孔氏は同法の立法コンサルティングに参与した。孔氏は次のように指摘した。「外商投資法」はまず、知財権の保護、特に投資における知財権の保護を再確認した。投資の形式は多様で、知財権の投資であってよい。そのため知財権の保護の強化は、投資に対する一種の保護だ。次に、同法は外商投資家の中国に対する技術移転が自発的であり、ビジネスの原則に基づくことを再確認した。それから、「外商投資法」は行政機関及びその職員が行政措置により技術移転を強制することを明確に禁止した。孔氏は、これは大きな進歩だとした。

 

 国務院は2008年6月5日に正式に「国家知財権戦略綱要」を発表し、国家知財権戦略の実施を開始した。これは改革開放が新たな時期に入ったことを意味する。11年に渡り、中国は知財権の創造・保護・運用で喜ばしい成績を手にした。革新型国家建設及び高品質発展について、孔氏は中国が知財権の立法及び法執行の切れ目なき連結を実現し、手続きを成熟化させることに期待している。同時に孔氏は、知財権保護の宣伝を強化し、人々の知財権保護意識を強化すべきと指摘した。また中国の知財権保護が手にした成績の宣伝を強化し、企業の自信を深めるべきだと指摘した。孔氏は、中国が将来的に知財権保護でさらに大きな成果を手にすると考えている。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年7月1日