中国のSF小説はこの40年で、ニッチな市場から中国で最も大きな成功を収めた文化輸出の一つになった。ネットフリックスが巨額の制作費で実写化する「三体」が3月より配信される。中国SF小説は現在までで最も多くの視聴者を集める可能性がある。この目標を達成するため、作者、編集者、文化当局者は数十年間取り組んだ。彼らはSF小説が人々を団結させることを信じている。AP通信が伝えた。
出版社「科幻世界」の姚海軍副編集長は、「SF小説は常に異なる文化と国をつなぐ架け橋だ。作者は皆、未来への憧れを持てる。衝突することがあっても、彼らは共存でき、尊重される」と述べた。
中国で日々増加するSFファンは海外の作品に夢中になるが、海外では中国のストーリーを読む人が少ない。この流れを変えたのは劉慈欣だ。劉慈欣のストーリーには星全体を移動させる大事業があれば、人類の静かな感情の一コマがあり、SFファンから好評を博している。
「三体」は2006年に初めて「科幻世界」で連載され、他の中国の作品にはないほど歓迎された。米ウェルズリー大学東アジア学科の宋明煒教授は、「劉慈欣の作品には非常に新鮮で、原始的で、注目を浴びるモノがある。さらには非常に暗く無情な時があり、読者に深い印象を与える」と述べた。
ネットフリックスの「三体」の実写化により、多くの新たなファンを獲得する可能性があるが、宋氏や姚氏のような業界関係者は、新世代中国SF作家の作品の英訳に期待している。姚氏は、動乱の時代においてもSFは文化の架け橋の力を発揮できると信じている。「交流さえあれば、共通点を見いだせる」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年3月1日