手紙が届くのを待っていた時代を覚えているだろうか。以前は荷物を送るのに郵便局で並ばなければいけなかったが、現在は携帯電話で注文するだけでいい。また、以前は郵便局員が「手紙です」と言って手紙を届けていたが、今は配達員が「荷物です」と言って宅配する。郵政・配達業界の75年の巨大な変化を振り返ってみる。
郵便局員をしていた今年90歳の程文森さんは、「1950年代の頃は、配達する自転車の前に配達物を入れるポケットが1つあり、後ろに袋を2つかけていた。平屋建ての家が多く、新聞ですと言うと、住民が家から出てきた」と振り返る。
北京市東城区朝陽門街道に住む銭有珏さんは、当時、郵便局員が荷物通知書を届けてくれることが一番の楽しみで、郵便局に取りに行かなければいけなかったが嬉しかったと話す。
程文森さんは、様々な郵便物があり、食糧配給切符、綿布配給切符、食用油配給切符が最も多く、タイヤを送る人もいたと振り返る。ある時、二胡を受け取った人がおり、郵便局が修理維持チームを特別に結成し、二胡を保管する特製木箱を作るのを手伝ったという。
1949年から1978年の間に、全国の郵便距離は約7倍に伸び、田舎と僻地の道の整備も進んだ。郵便物が田舎にも届き、家に届けられるようになった。2014年、国家郵政局は「配達の農村部普及」プロジェクトを開始した。2019年、全国の建制村すべてで配達が可能になった。2020年、国家郵政局は『村まで配達の試行作業に関する通知』を発行。2022年末時点で、全国3461集落への郵便を実現した。
多くの人が最近の配達のスピードと便利さに驚いている。「何でも買えて、便利」、「午前にまだ木についていたブドウが午後には本土に発送され、カザフスタンに輸出された。すごすぎる」、「携帯電話で配達物の位置を確認することができ、ひと眠りしたら届いた」などの声がある。
2024年6月26日、中国郵政が初めて自主運営する大陸間航路が南京・ルクセンブルク間に開通した。
中国郵政航空のパイロットをしている于毅さんによると、飛行機が南京を離陸しルクセンブルクに着陸すると、配達物は道路輸送で周辺36の国と地域に発送される。貨物輸送は「深夜運航」のため、于毅さんは操縦室の窓から太陽が昇っていくのを見ることができ、特別感と誇りを味わえるという。
以前は配達の道が遠くゆっくりだったが、現在は都市部と農村部にゆきわたり、ドローン配達やロボット仕分けなどもできるようになり、配達サービスネットワークは全国をカバーし、世界に繋がっている。
75年で中国はスマートかつ効率的な物流ネットワークを形成