中国人民銀行がこのほど発表した「2024年人民元国際化報告書」によると、中国の人民元クロスボーダー使用規模が着実に拡大している。今年1−8月の銀行を通した人民元クロスボーダー決済額は前年同期比21.1%増の41兆6000億元で、高い伸び率を維持している。うち物品貿易人民元クロスボーダー決済額が同期の本国通貨・外国通貨クロスボーダー決済額に占める割合は、23年通年を1.7ポイント上回る26.5%にのぼった。
報告書によると、今年に入り人民元の投融資通貨としての機能がさらに強化されており、域外投資家が持続的に中国の債券を購入している。今年8月末現在の域外投資家のポジション規模は約4兆6000億元で、域内債券信託規模に占める割合は23年末比0.3ポイント増の2.7%。
また大口商品の人民元建て決済にも新たな進展があった。報告書によると、今年1−8月の主要大口商品貿易人民元クロスボーダー決済額は前年同期比22.7%増の1兆5000億元だった。中国では現在すでに原油や鉄鉱石などの24種の国際化先物及びオプション商品が取引され、域外トレーダーを集めている。大口商品取引の人民元建て決済に価格設定基準を提供している。
国際銀行間通信協会(SWIFT)のデータによると、今年8月の世界の決済における人民元のシェアは4.69%で、人民元は昨年11月より10カ月連続で世界4位の決済通貨となっている。今年8月の世界のトレードファイナンスにおける人民元のシェアは5.95%で、世界2位のトレードファイナンス通貨となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年10月9日