人工知能(AI)は創意の境界を広げ情報伝達の効率を高めると同時に、フェイクニュースの氾濫や知的財産権の侵害といったリスクをもたらす。これは国際情報伝達エコシステムの建設にとって新たな挑戦だ。
14日に新疆維吾爾(ウイグル)自治区烏魯木斉(ウルムチ)で開かれた第6回世界メディアサミット開幕式で、赤十字国際委員会東アジア地域代表部の情報伝達責任者であるNajum Iqbal氏は、フェイクニュースが現実の世界にもたらす破壊について、「フェイクニュースが戦争中に生じることは新しいことではないが、デジタル時代にかつてない力を手にした」と述べた。
生成AIと大規模言語モデルの応用により、世界はデジタル情報の「見聞きしたことが真実でリアルだとは限らない」という時代を迎えた。音声、動画、画像などの各種形式によるAIディープ偽造コンテンツが出現し、フェイクニュースの霧がますます濃くなっている。
米国のある研究機関は生成AIのフェイクニュース生成能力を追跡している。同機関が昨年末に発表した報告書によると、AIを利用し作られたフェイクニュースサイトが7カ月内に49から600以上に増加した。
中国と海外からの出席者はサミットの現場で、AI濫用によるフェイクニュースの伝播に対応するため、活発に議論した。国連開発システムのシッダルタ・チャタジー中国常駐調整官はサミットに寄せたビデオメッセージで、「本サミットは国際メディアがフェイクニュース、間違った情報、ヘイトスピーチへの対応の情報の信頼性を高める機会を創出した」と述べた。
世界では新華社、ロイター通信、BBC、NPRなどがAI行為マニュアル及びガイドラインを作り、メディア業界でAIを応用することによる信憑性のリスクに備えている。
一部のメディアはすでにテック企業と協力し、「信憑性のファイアウォール」を構築し始めている。BBCは米国のAdobe、グーグル、インテル、マイクロソフトなどと共同で、コンテンツの出処及び信憑性に関する団体を作っている。この団体はデジタルメディアにコンテンツの信憑性の証明や、過去のデータサービスシステムを提供するため取り組んでいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年10月17日