携程が発表した「シルバー観光行為洞察2023」によると、55歳以上の人々は観光に意欲的で、数が前年比で2倍弱激増した。これは高齢者観光市場の高い潜在力を示した。
年齢層を見ると、中高齢者が全国の観光客の4割弱を占めている。観光の頻度を見ると、中高齢者のうち「毎年3回以上」は17.6%で、「毎年1、2回」は40.8%。中高齢者が重要な観光客源で、その需要が旺盛であることが分かる。また中高齢者の数の増加に伴い、潜在的な観光客も増え続けている。
民政部と全国老齢工作委員会弁公室はこのほど、「2023年度国家老齢事業発展公報」を発表した。データによると、中国の2023年のシルバー経済の規模は約7兆元で、同期のGDPの約6%を占めた。35年には30兆元で約10%を占める見込み。シルバー産業は未来の経済発展の重要エンジンの一つになる見通しだ。
国務院弁公庁は今年、シルバー経済に的を絞った初の政策文書を発表した。より整ったシルバー経済体系の構築を目指し、年齢の制限ではなく健康状態を基準とすることを提唱し、観光サービス分野の拡大を奨励した。各地は積極的に反応した。新疆文化・観光局は2024「盛世華疆」テーマ月間の企画に力を入れた。西安鉄路局は「シルクロード号」納涼特別列車を発車しシルバー観光商品ラインナップを豊富にし、サービスの質を高め、中高齢者の多元的な需要を満たした。上海は画期的な「シルバー学習ツアー」を打ち出し、療養と学習を結びつけることで、アクティブエイジングに無限の可能性を持たせた。
データによると、中国の「遊学」(スタディツアー)市場規模は今年、前年比21.9%増の1791億元にのぼる見込みだ。そのうち親子旅行が最もホットなテーマだが、多くのシルバー業界就業者は「高齢者遊学市場の将来性」について検討している。
実際に国内の一部の企業はシルバー遊学プログラムの手配を開始しており、その規模はすでに一部の親子遊学ツアーを上回っている。遊学市場全体が急速に発展すると同時に、シルバー遊学には大きな強みがある。定年退職を迎える60・70年代生まれの元気な高齢者が増えることで、遊学産業に新たな活力を注ぐ。中国の中高齢者の趣味と娯楽が日増しに多元的かつ個性的になり、市場を急成長の軌道に乗せている。
国家戦略から政策の実施に至るまで、シルバー観光はかつてない発展チャンスを迎えている。ところが巨大かつ急増する市場の需要を受け、観光業界は弱点補強に取り組み、より個性的で安全で快適な観光体験を提供する必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年12月3日