中国社会福利・養老サービス協会、現代社会サービス研究院、社会科学文献出版社はこのほど共同で、「シルバー経済青書:中国シルバー経済発展報告書(2024)」(以下「青書」)を発表した。
青書によると、2022年の世界の高齢化率は約9.8%で、うち高所得エコノミーは19.2%、中高所得エコノミーは12.2%。中国の高齢化率は中高所得エコノミーを上回り、高所得エコノミーに近い。中国は2030年前後に20%超の超高齢化社会を迎える見込みだ。
シルバー経済は高齢者の食事、医療、介護、文化・スポーツなどの事業範囲を含む公共サービスと、高齢者及び高齢者予備軍の多層的で多様な製品及びサービスの需要を満たす各種市場経済活動を含む。例えば高齢者用品、スマート健康養老、リハビリ補助具、アンチエイジング、養老金融商品、高齢者観光サービス、高齢者向け改修などの潜在力ある産業を発展させる。
「都市を第2の成長曲線に進ませる上で、シルバー経済の役割の重要性が増している」青書によると、都市の第2の成長曲線理論とは、第1の成長曲線が飽和もしくは衰退に向かう際に、伝統的な発展モデルのネックを解消し新たな飛躍と持続可能な発展を実現するため、エコノミーもしくは産業がイノベーション、技術進歩、制度変革、もしくはその他の外部の力を通じ、新たな経済成長源と発展の原動力を摸索することを指す。中国では急速な都市化と高齢化が生じているが、第1の曲線以外の新たな成長源を見つけることが、中国の都市の発展における重要な課題となっている。シルバー経済はこのプロセスにおいて大きな潜在力を示している。
青書によると、日本は世界で高齢化が最も深刻な国の一つだ。日本の首都・東京は高齢化の大きなプレッシャーに直面している。東京はスマート都市建設において、スマート養老システムの開発と普及を特に重視している。例えばIoT技術により多くのコミュニティでスマート養老プラットフォームを作り、高齢者の健康観察、緊急コール、リモート医療などのサービスを広めている。東京は都市インフラの整備において、階段昇降機、低い階段、音声ナビゲーションなどのバリアフリーなデザインを普及させ、高齢者のモビリティ体験を大幅に高めた。
上海は中国で高齢化率が高い都市の一つだ。「政策サポート、産業構成、社会・文化環境の最適化を通じ、上海はシルバー経済で顕著な進展を迎えた」青書によると、例えば上海は郊外で多くのシルバー産業パークを作り、養老サービス、健康管理、スマート設備、文化・娯楽などの各分野の企業を集めた。
「試算によると、中国の現在のシルバー経済規模は7兆元前後で、GDPの約6%を占めている。35年には30兆元で10%を占める見込み。長寿時代に入った後、シルバー経済の対GDP比がさらに上がる」青書によると、シルバー経済は高齢化の挑戦に対応するため必要な手段であり、都市の持続可能な発展を促す重要な力でもある。科学的な計画と効果的な実施を通じ、シルバー経済は経済に新たな活力を注ぐ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年12月23日