この1カ月に渡り複数の大学の合同就職面接会を取材したところ、変化が生じていることが分かった。国産大規模言語モデル「DeepSeek」による技術の波とAI業界の長年の蓄積が、労働市場で波及効果を生んだ。「大規模言語モデル研究員」「AIアルゴリズム研究員」「AI研究開発エンジニア」といった名詞が、企業の展示ブースでよく見られるようになった。また「AI+」の雇用の需要も増えている。
中国教育科学研究院デジタル教育研究所の王学男副所長がメディアに提供したデータによると、2024年の全国のAI専攻在校生は約4万人で、AI分野の500万人の人材不足と比べるとまだ大きな開きがある。大学の人材育成もこれらの新たな需要に伴い変化している。多くの大学はこのほど、適度な募集定員拡大を発表した。例えば中国人民大学の今年の募集計画はデジタル時代の発展の先端に焦点を絞り、AIやスマートガバナンスなどの「AI+」先端分野で先見的に学際的・複合型人材を集める。
首都経済貿易大学労働経済学院の毛宇飛准教授は、「AIの長期的な発展に伴い、多くの雇用主がDeepSeekを自社の既存のシステムに導入している。これにより従来であれば多くの人手を必要とした職場の雇用の需要が減少する。AI技術進歩の一部の職業への代替効果は一部の企業、特に中小企業において比較的顕著だ」と述べた。
またAI技術は大学就業サービスのモデル転換と高度化を促している。中国人民大学の「AI面接官」は現在、オフラインの説明会を開かなくても利用できる。同校が独自に開発・設計したスマート職業発展センタープラットフォームは、学生の入学当初から参考になる職業発展方向を提供し、かつ学生に成長記録を提供する。学生の求職で、同プラットフォームは模擬面接、履歴の最適化、就職先とのスマートなマッチングを支援する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年3月28日
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