内蒙古(内モンゴル)自治区の大興安嶺山脈の北麓に位置する小都市・根河市の「根河」は、モンゴル語で「水が澄み切った川」を意味する。氷雪シーズンが約7ヶ月にも及ぶため、それが発展を妨げていると言われてきた。しかし、根河市文化・観光・ラジオ・テレビ局の松嶺局長は、「今は『寒い』ことをデメリットと考えるのではなく、極寒を『貴重な体験』とポジティブに考えるようになった」と話す。
そんな根河市は2022年から「トナカイオーナー」募集プロジェクトを始動させた。オーナー契約をすると、観光客は「オーナー証明書」を受け取ることができるほか、いつでも根河市に来て、そのトナカイを見ることができる。募集が始まると、冬に同市にやって来る観光客がさらに増えた。
松局長は、「これは単なる観光プロジェクトではなく、文化の架け橋でもある。オーナーが付いたトナカイは全て鄂温克(エヴェンキ)族の家庭と紐づけられる。そして、観光客が支払うオーナー費用は、そのほとんどがトナカイを飼育している家庭が受け取り、トナカイや森林の保護に使われ、一部は文化伝承に使われている」と説明する。
「トナカイオーナー」プロジェクト実施の背後には、整備された文化体験チェーンがあり、鄂温克族の集落「使鹿部落」を訪問したり、鄂温克族の樺皮を使った工芸品作りを学んだり、冬の森林の中での暮らしを体験したりできるようになっている。
それらはどれも実際の暮らしを体験できるアクティビティとなっている。トナカイを飼育している古木森さんは取材に対して、「以前は、トナカイを移動手段や生産材料としか見ていなかったが、今は文化と繋がる架け橋と見ている」と話す。
根河市には、モデル転換に関する興味深い物語がある。以前は、森林に頼って生計を立てている人が多かった同市は2015年に、天然林の商業性伐採を全面的に禁止した。その後、モデル転換を迫られ、「極寒」や「辺鄙」を新たな資源とするために難しい選択をしなければならかったものの、同市は「文化と観光の踏み込んだ融合」を選択した。
松局長は、「定番の氷雪ツーリズムではなく、氷雪文化のじっくり体験提供を打ち出している」と説明する。
根河市の冷極村の村民は、庭を「低温実験場」にリノベーションし、熱湯を空気中に散らすと一瞬で凍って霧になる様子を撮影したり、いろんな材質の衣服の保温性能を比較したりといった「実験」が、観光客の間で人気の体験となっている。
冷極村運営部の馬徳新部長は取材に対して、「今シーズンの冬、宿泊施設のニーズが非常に大きくなっており、1週間前に予約しなければならない時もある。観光客は、極寒地の『ぬくもりを感じる暮らし』を体験するためにやって来る」と話す。
データによると、2025年9月から12月の4ヶ月間、根河市の観光収入は前年同期比12%増の13億1600万元(1元は約22.5円)に、訪問した観光客の数は同14.2%増の延べ90万3600人に達した。
根河市のモデル転換は現在進行形で進められており、「温泉・ウエルネス」を前面に押し出し、没入型飲食体験と組み合わせて、消費チェーンを伸ばし、四季を通じて観光できる場所にするという目標の達成をバックアップしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2026年1月10日
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