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第2章 体制改革と社会
2-3 問 06年以来、調和の取れた社会の構築が話題となっている。これは中国社会に不調和な要素があることを意味するのか。中国が調和の取れた社会を構築する目標は何か。

答 現在、中国社会は総じて調和が取れている。だが、過去20年余りの間、経済が高成長を遂げ、利益の枠組みの調整と社会構造に重大な変化が生じた中で、社会の調和に影響する矛盾や問題が存在するのは避けられないことだ。とくに収入の分配格差の拡大や医療、養老などの社会保障システムの不健全さ、これに加えて住宅価格や教育費の高止まり、大学生の就職難などから、人びとは将来に懸念を示すようになった。調和の取れた社会の構築を打ち出したのは、社会に普遍的に存在する不安を緩和するためだ。それは経済と社会の持続可能な発展に役立つだけでなく、社会の安定した運営にも役立ち、国情にかない、民意に即するものである。

民主と法制が西側思想の精髄だと言うなら、調和の取れた社会は、中華民族の伝統的思想の精髄を汲み取り、それを近代化させたものだと言えるだろう。中国が構築しようとしている調和の取れた社会とは、民主と法治、公平、正義、信用、友愛を備え、活力に満ち、安定して秩序があり、人間と自然が協調して付き合う社会のことである。目標は次のようなものだ。

第1に、社会主義民主法制をより完備させ、法治国という基本方針を全面的に実施することで、人びとの権益を確実に尊重し保障する。

第2に、都市・農村部、地域の発展の格差の拡大傾向を徐々に抑え、合理的で秩序ある収入分配の枠組みをほぼ確立して、家庭の財産を増やすことで、人びとがより豊かな生活を送れるようにする。

第3に、就業の機会を拡充し、都市・農村部住民をカバーする社会保障システムをほぼ確立する。

第4に、基本的な公共サービスシステムをより充実させ、政府の管理とサービス水準を高める。

第5に、全民族の思想・道徳の資質、科学・文化的素養、健康水準を著しく向上させ、良好な道徳気風、調和の取れた人間関係をさらに形成していく。

第6に、全社会の創造力を著しく高め、革新型の国家をほぼ建設する。

第7に、社会管理システムをより完備させ、良好な社会秩序を形成する。

第8に、資源の利用効率を著しく高め、生態環境を著しく好転させる。

第9に、十数億の人口にかかわるより水準の高い、いくらかゆとりのある社会を全面的に建設する目標を実現し、全ての人がそれぞれその能力を尽くし、それぞれ適所を得ることで、協調して付き合えるように努める。

社会の調和は、中国の特色のある社会主義の本質的な属性である。調和の取れた社会を構築するには、底の厚い物質的な基盤が必要であるばかりでなく、それは産業政策や就業政策、教育政策、医療政策、養老保険メカニズムなど多方面と関係がある。そのため、政府は人びとが最も関心を寄せ、最も直接的で、かつ最も現実的で切実な利益の問題をしっかりと捉えて、社会の建設を強化し、政府の転換を推し進め、執政能力を高めていく。同時に、体制やメカニズムの面から、社会の公平を保障し、貧富の格差をさらに縮小し、就業の機会を拡大し、医療・衛生、教育、社会保険などの分野で率先して改革を推進し、20年までに、社会主義の調和の取れた社会を構築する目標と主要な課題の達成を目指していく。

 

「チャイナネット」2008年2月

 

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