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第6章 対外開放と外資
6-10 問 関連報道によると、今後数年の間に、中国は外国人投資家による国家の安全にかかわる敏感な企業や重点企業に対する合併・買収の審査や監視、管理を強化するとしているが、こうした措置を講じるのはなぜか。こうすることで、外資導入の門戸は狭まり、保護主義が台頭することになるのではないか。

答 国をまたぐ合併・買収は世界的な外資導入の方法となっており、世界の外国への直接投資では、80%がこうした合併・買収によるものだ。以前は、外国の中国投資は主に「緑地投資」、即ち投資して新規に企業を設立することだった。そのため、中国は国をまたぐ合併・買収についてはあまり熟知しておらず、その審査についても専門の法律による規定はなく、外国企業投資の審査制度をそのまま当てはめていた。国家の戦略的で敏感な業種に対する合併・買収案件が増えるに伴って、従来の審査方法では市場経済の要望をすでに満たすことができなくなってきた。

この数年来、多国籍企業はその技術やブランド、規模の優位性を活用して中国での独占的な地位を拡大するなど、こうした状況が非常に際立っていた。合併・買収は主としてエネルギー生産、基礎材料工業、機械製造、巨大な市場規模と長期にわたる成長にわたる潜在力をもつ食品、消費財の生産、新技術のサービス、WTO加盟時の確約を履行して開放されつつある商業、金融サービス業などの分野に集中している。データが示すように、多くの業界では多国籍企業の総生産高に占める比率は上昇を続けている。そのうち軽工業や化学工業、医薬、機械、エレクトロニクスなどの業界では、シェアはいずれも3分の1以上に達しており、市場の秩序が損なわれるとか、経済の安全を脅かす重大なリスクがあるなど、外資による合併・買収によって数多くの問題が明らかになってきた。

いかなる国も外国の資本、商品などに対しては、いずれも本国の利益と発展を優先にして管理しており、たとえ経済が極めて発達した米国であっても、外資による合併・買収については極めて慎重である。米国には外資による合併・買収問題を処理する専門の機構、外国投資委員会(CFIUS)がある。例えば、中国海洋石油有限公司(CNOOC)が米ユノカル社に対して行った合併・買収提案は、この機構の反対に遭って失敗に終わっている。

現在、外資による合併・買収に対する中国政府の総合的な構想は、「適正化・発展・管理」、つまり合併・買収行為に対する適正化された管理を通じて外資導入を拡大すると同時に、合併・買収で国の安全に影響が及ぶのを防止するというものである。この構想に基づき、06年9月に「外国投資家の国内企業の合併・買収に関する規定」を公布して施行し、国の戦略的な敏感な業界に関するリストを作成するとともに、特殊な合併・買収に関しては審査体制を確立し、必要な場合には、外資の合併・買収よる独占を防止し、公平な市場競争と国の経済と安全を保護するための審査を行えるようにした。

こうした規定は自由で開放された市場経済の原則と矛盾するものではなく、外資導入の門戸が狭まり、保護主義が台頭することを意味するものではない。この規定を通じて今後も外資利用のルートを切り開いていくというものだ。今後数年の間に、合理的で国際慣行に合致した企業資産価格評価制度をさらに確立し、外資による合併・買収の過程で国内企業の資産と権益が損なわれないよう、法律に基づいて合併・買収された企業の従業員の合法的権益を保障していくことにしている。同時に、外資利用の新たな方法を積極的に模索し、合併・買収の研究を強化して、関連する法律や法規を絶えず完備させ、産業の安全と独占防止の予測体制を確立し、合併・買収による発展にプラスとなるような投資環境を整備するとともに、外資の合併・買収による中国での発展を積極的かつ着実に推進していくことにしている。

 

「チャイナネット」2008年3月

 

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