答 中国が現段階で実施しているのは、とっくに指令的な経済ではなく、社会主義市場経済であり、行政的または一次的に人民元を切り上げたり、切り下げたりするような状況が生じることはもうない。 現在、人民元の為替レートの変動は世界の関心を呼んでおり、これも同様に中国の国際収支のバランスを促進する政策方向にかかわるものだ。従って、国情に合った為替レート政策と合理的なレート水準を選択する問題では、政府は独立自主と高度に責任を負う態度を堅持しており、経済と社会発展の根本的利益から、また地域と世界の経済、金融の安定を維持するという全局から考えなければならない。 05年7月21日から、市場の需給を基礎に、バスケット通貨を参考にした管理された変動相場制を実施した。人民元レートは「高くなったり安くなったりする」双方向的に変動する特徴を見せるようになり、変動幅は絶えず拡大し、同時に小幅で緩やかな上昇傾向にある。人民元の対ドルレートを例にすれば、07年6月5日は7.6427元で、レートの改革前と比べると、切り上げ幅は累計で7.7%近くになっている。社会主義市場経済体制を完備する重要な制度整備の一環として、人民元レートの形成メカニズムの改革は予想通りの効果を上げ、弾力性も徐々に強まり、市場システムがほぼ構築されたと言えるだろう。 今後、人民元はどう動くのか。どれだけ人民元高になるのか。現在、市場には様々な異なった予測があるが、次のことは肯定できる。つまり、人民元レートは緩やかに動き、近・中期的には適度な上昇傾向を維持するというものだ。人民元高をもたらす要素としては、主として、中国の労働生産率が年平均15.9%ずつ伸びて、米国や日本、ヨーロッパなどの先進国よりはるかに高い、国際収支の黒字と外貨準備高が急速に増加している、大量の外貨が中国に流入して、人民元の需要が増大している、海外の投機資本が大量に流れ込んでいる、などが挙げられる。当然ながら、段階的な人民元安のリスクは排除することはできない。中国経済の発展にはまだ脆弱な部分がかなりあり、また発展途上国として金融システムが完備されていないからだ。 要するに、人民元の為替レート問題については、中国の政策ははっきりしている。つまり、引き続き主動性と漸進性、制御可能性の原則に従って推し進め、管理された変動相場制を一段と完備し、市場メカニズムの重要な働きをいっそう発揮させて、為替レートに弾力性と柔軟性をさらに持たせることで、レートの合理的かつ均衡の取れた水準での基本的な安定を維持するというものだ。 「チャイナネット」2008年3月 |