答 中国の貿易黒字は06年から拡大を続け、それに加えて国外資本が大量に流入していることから、外貨準備高は急速に増大している。国際収支の不均衡という問題も比較的際立っている。統計によると、06年1~9月の国際収支黒字は2401億ドルに達し、そのうち経常収支は1775億ドル、資本・金融収支が626億ドルである。 現在の国際収支の不均衡は、経済のグローバル化の結果だと見るべきだろう。他国に比べ、中国は国際産業シフトの引き受け、外資導入の面で総合的に強みがあり、国際産業の大量シフトによって多国間にまたがる資金が絶えず中国に流れ込んでいる。このほか、工業化が急速に発展する段階にあり、技術の進歩と産業の高級化が急速に進んでいるため、絶えず拡張を続ける生産能力によって、輸出の持続的かつ急速な増加に必要なしっかりとした基盤が築かれ、さらに一定の程度で輸入がそれに取って代わるようになってきた。同時に様々な原因から、国内の消費が長期にわたって落ち込んでいるため、その結果として消費率が低めであること、企業の対外投資も少なすぎることなどが、国際収支黒字を押し上げている面もある。 国際収支の黒字、という不均衡は中国がわざわざ求めてきた目標ではない。中国のような発展途上の大国にとって、国際収支の基本的バランスと比較的十分な外貨準備を保持するのは、国内経済の発展の促進や総合国力の強化、リスク対応能力の向上に役立つものだ。しかし、国際収支の不均衡は国内資金の過剰をもたらし、過度な投資や資産価格の膨張を刺激し、物価の安定を潜在的に脅かしていることから、通貨政策の調整は難しく、このままいけば、国民経済の持続的で健全な発展にマイナスの影響が及ぶだろうということは、われわれもすでに認識している。 現在、国際収支の不均衡は中国のマクロ経済運営の中で突出した問題とはなっているが、バランスの促進はすでに、経済社会の安定した発展を実現する主要な目標として、また国の経済政策の重要な方向として位置づけられている。そのため、今後数年の間に、財政や通貨、貿易、産業、投資政策の協調性を強化し、政策的テコ入れと産業誘導を通じて、輸出商品の構造を最適化させ、貿易の数量拡大型から品質・収益志向型への転換を促すとともに、自主知的財産権と高付加価値のある製品の輸出を増やし、先端技術や重要な原材料、主要設備の輸入を奨励することで、サービス貿易の対外開放を安定的に拡大していくつもりだ。 同時に、医療や教育、住宅などの制度改革を進めることで、消費者の支出を計画させるようにするほか、国民所得の分配構造を調整することで、農民と都市の低所得者の収入を増やして消費能力を高め、消費分野の拡大と消費環境の改善を通じて、都市・農村部住民の多層的で多様な消費ニーズに円滑に応えられるようにしていく。 こうした措置が徐々に実施されていけば、当初予想していた貿易の基本的バランスは実現されるだろう。それには2年ないし3年はかかると思われる。しかし、目標がはっきりし、政策が正しく、方法が適切でさえすれば、国際収支不均衡の緩和は必ずある程度の効果を収め、経済のより良い、より速い発展を推進することもできる。 「チャイナネット」2008年3月 |