答 環境への脅威は国境のない現象である。早くも産業革命初期に、西側諸国はすでに環境コストとその影響を世界の多くの国と地域へと伝えていった。中国経済の発展がもたらす環境への影響は、国際的な産業化、分業の移転の産物である。中国の貿易構成は物が主体であり、製品を輸出しても汚染物が残されるため、資源の消費と汚染の主要な場所でもあり、また環境汚染の主要な被害者でもある。とくに中国の発展が他国にもたらす経済効果に比べると、中国の世界の資源と環境に対する影響は一面的でしかも誇張されており、世界の環境にもたらすプラスの効果は完全に軽視されている。国際法から分析すると、中国の経済貿易の発展による外的環境への影響はWTO(世界貿易機関)の各項目には違反しておらず、国際環境協定への参与や相応の義務履行の角度から見ても、中国の態度は責任のある、効果のあるものである。従って、いわゆる「中国の環境脅威論」は事実無根であり、国際法上も根拠はない。 現在、環境汚染が中国経済の発展を制約する重大な問題となっているのは確かだ。この問題がまだ円滑に解決されていないところに、いわゆる「中国の環境脅威論」になぜ理性的に対処しなければならないか、という理由がある。このため06年、政府は「環境を犠牲にして経済を成長させる」との考え方を改め、「環境保護によって経済成長を最適化させる」方向へと大きく舵を切った。また10年までに、国民経済の安定かつ急速な成長を維持すると同時に、重点地区と都市の環境の質を改善することで、生態環境の悪化傾向をほぼ食い止める方針を示した。国内総生産(GDP)単位当たりのエネルギー消費を05年比で20%、主要汚染物の排出総量を10%削減し、森林被覆率を18.2%から20%に高めるなど、拘束性のある指標を打ち出したのである。さらに環境保護指標を経済発展と同等に位置づけたことも、これまでにはなかったことだ。 主要汚染物の排出削減の目標と課題を達成するために、政府は経済構造の調整を加速し、高消耗、高汚染、低効率、生産力過剰の業種と企業を退場させ、新規プロジェクトは、資源の過度の消費をしてはならず、汚染が深刻なプロジェクトは、法に基づく認可がなければ実施してはならない、といった措置を講じることにした。07年1月、国の環境保護機関は初めて「地域限定認可」という行政処分を発動した。4つの行政地域にある電力集団4社の傘下にある鉄鋼、電力、冶金などの業種を対象に、環境アセスメントに著しく違反した82件のプロジェクトに対し、改善が徹底されるまで、循環経済関連を除くすべての認可を停止することにした。 同時に、環境汚染対策への資金投入を増やした。06~10年までの拠出額は1兆4000億元に達する。発展途上の大国として、中国は尽くすべき国際的な義務を担うことで、経済を発展させ、汚染を抑制し、環境を保護する新たな道を必ず歩み出せると信じている。 「チャイナネット」2008年3月 |