答 外国の一部メディアの「重大な臓器の売買による移植が行われている」とし、臓器の多くは死刑囚のものだと暗に示す報道には我々も注視している。これは、臓器移植という医療行為の名を借りてでっち上げた虚偽のニュースで、中国の司法制度を悪意で攻撃するものだ。中国は臓器提供と臓器移植に関しては、一連の系統的かつ厳密な規定と有効な管理監督制度を有しており、ここ数年来、関連機関は絶えず臓器移植の臨床管理を強化してきた。そのため、外国の一部メディアに見られるこうした非常に無責任な虚偽の報道には遺憾の意を表わしたい。 臓器移植は世界でも先進的な技術であり、中国はこの問題でずっと慎重かつ責任ある姿勢を取ってきた。中国の臓器移植は1960年代から始まり、90年代には心臓や肝臓、肺、腎臓のほか、すい臓と腎臓、肝臓と腎臓、心臓と肺などの同時移植もできるようになった。05年に臓器移植は約1万2000例に達した。06年6月現在で累計約8万5000例を数え、米国に次ぐ第2の臓器移植国となり、国外で行われるすべての臓器移植は、中国でも行うことができる。なかでも最も多いのが腎臓の移植で、累計約7万4000例で、生存期間の最も長い人は28年にものぼる。肝臓移植は1万例を超え、生存最長は18年。心臓移植は約400例で、生存は最長で14年近くに達している。中国の臓器移植技術は総体的に世界の先進レベルにあると言えるだろう。 臓器不足は世界的な問題であり、自国の公民を優先することがWHO(世界保健機関)の指導原則となっている。その他の国と同じように、中国も臓器不足に直面しており、臓器移植を待つ人は年間150万人余りにのぼる。だが、伝統的な考え方の影響から、臓器を提供することを望む人は非常に少なく、移植を受けられる人は年間およそ1万人に過ぎない。現在、中国で移植に用いられる臓器は主に公民が亡くなった時に自ら提供したものだ。死刑囚の臓器の利用に対しては非常に慎重であり、しかも厳格な法律や法規がある。命を救う目的から、一部の死刑囚については、彼らが自ら望んで署名し、また家族も提供を同意することが必要で、そのうえで厳格な審査をし、許可されて初めて移植に用いることができる。公民が死後に臓器を提供することを自ら同意するのと同じであり、また条件も同じだ。 中国は一貫して1991年のWHOの臓器移植に関する指導原則を順守しており、この管理をさらに強化するため、06年7月1日に「人体の臓器移植技術の臨床応用の管理に関する暫定規定」を公布し施行した。また07年3月に国務院常務会議は「臓器移植条例(草案)」を採択し、臓器を売買してはならない、医療機関が移植に用いる臓器は提供者の書面同意がなければならない、提供者は臓器移植前に提供を拒否する権限がある、医療の質と医療の安全を確保し、倫理原則に合致するようにするため、臓器移植を実施する病院に相応な資質があることを求める、とさらに明確な規定を設けている。 このほか、臓器移植で最大の治療効果を上げるため、臓器の提供登録と配分・共有の情報ネットワークを構築中だ。この情報ネットを通じて、人道主義的な相互支援の精神を知ってもらい、臓器の提供者を増やすことで、臓器の公平で公正、かつ公開された配分と利用効率を一層高めていくことにしている。 「チャイナネット」2008年3月 |