答 中国は中国医薬の古里であり、数千年を経ても衰退しないのは、その独特な強み、処方、系統的な理論と豊かな経験があるからだ。現在、西洋医薬ではまだ解明されていない難病が多く、有効な治療法もないが、中国医薬は多くの難病に対して、その病状を識別して適した治療を施すことでむしろ優位性を発揮している。こうしたことから、自然に回帰し、天然の薬品を服用するといったブームが世界範囲で起きているのだろう。 国際的に漢方薬に対する需要は急激に増えており、中国は漢方薬の伝統的な輸出大国でもあるが、漢方薬が国際市場に占めるシェアは5%に過ぎない。シェアが低い理由はいろいろある。東西の文化的な違いのほか、主因は科学技術が余り駆使されていない、多くが安全性、品質、有効性などで正確な科学的データに欠けていることだ。それに加えて薬の形状や包装が古いために、ヨーロッパの大半の国では法定には認められておらず、健康食品や食品添加剤として用いられているのみである。また、外国で医療に従事する漢方医のほとんどは医師免許を持っていない。医療行為は労務輸出にすぎず、これもある程度、規範や秩序に沿った世界の医薬市場への進出を阻害している。 漢方薬の質を高めて、中国医薬をより円滑に世界に進出させようと、政府は「漢方薬の現代化・科学技術産業行動計画」を策定した。同計画の目標は、国際市場のニーズに合った現代的な漢方薬を研究、開発する、漢方薬の現代化開発システムを構築する、科学技術を駆使した漢方薬産業を育成する、漢方薬の国際医薬市場への参入を推進するという4点だ。 同時に、漢方薬管理部門は「漢方薬標準化発展計画(06~10年)」を制定して公布した。現在、漢方医療機関や漢方医学教育機構、漢方薬材、漢方医の就労に関する品質管理規範、漢方薬技術用語の英語翻訳規準の制定、漢方医免許の国際試験、漢方医と漢方薬剤師の世界各国での就労基準の策定などに着手しており、同類の国際規範とリンクさせていく方針だ。 このほか、政府は国内の漢方医薬の資源を統合し、政府や非政府のほか、様々なルートを通じて中国医薬での国際協力の機会を積極的に模索しているところだ。政府が初めて提唱して制定された「中国医薬国際科学技術協力計画」は、07年に積極的に推進される。計画に沿って、中国は次の分野を優先的かつ重点的に実施することにしている。神経精神性疾病、心臓・脳血管疾病、腫瘍、エイズなどの重大な難病の漢方治療と予防、健康づくりの臨床研究を展開する、国際市場のニーズに合った近代的な漢方薬製品を研究、開発して、国際医薬保健市場でのシェアを拡大する、重要かつ国際的影響力のある二国間、多国間の中国医薬臨床研究センターと共同実験室を設立するなどだ。また20年までに、中国医薬の国際科学技術協力ネットワークをほぼ構築する、重要で国際的影響力のある中国医薬臨床研究センター、共同実験室、開発センターを5~10カ所開設する、100項目に及ぶ中国医薬の臨床治療効果の評価、作用メカニズム、効果的な予防・治療法、新薬の開発などに関する課題、10種類の市場潜在力のある漢方薬の臨床・研究を共同で進めることにしている。 現在、中国は世界の70カ国・地域との間で中国医薬の協力を含む政府間合意書を調印しており、オーストラリアや南アフリカなどでは漢方薬は法的に承認・保護されている。漢方薬製品は135カ国・地域に輸出されているが、一部の国では国際薬品登録を経て正式に市場に出回っている。今後、世界各国の人々は中国医薬による治療効果を体験できるだろう。 「チャイナネット」2008年3月 |