答 中国は13億の人口を抱え、1人当たりの経済水準と財政収入も比較的低い。そのため、医療体制の改革を進めるに当たっては、国外の有益な経験を参考にすると同時に、中国の国情に合っていなければならない。すべての人が基本的な衛生保健サービスを受け、医療衛生サービスの格差を縮小し、住民がいつでも診察を受けられるようにするとともに、安全に薬を服用できて、合理的に医薬費を負担する医療システム、中国の特色のある発展の道を努力して模索していきたい。 政府は97年、誰もが衛生・保険を受けるという目標を打ち出した。この10年近くの間、従業員の基本医療保険制度と新しいタイプの農村合作医療制度がほぼ確立された。しかし、医療衛生体制改革では、例えば請負制、従業員の収入とサービス収入との関連、自主経営、独立採算といった企業改革のモデルをかなり採用してきたため、一部医療機関は単に経済効果のみを追求するようになり、また医療費の膨大な増加を招き、住民の負担能力を超えてしまった。 事実を見れば分かるように、医療体制改革は基本的な国情、経済発展の水準、政府の財政収入の水準、住民の負担能力に合っていなければならない。住民の医療と健康保障は財政資金の増大、資金の社会調達、住民の支払いの適正が一体化された方法を採用する必要がある。これは経済面から考慮しただけのものではなく、医療衛生サービスのルールと特徴にも合致しており、世界的にはどの国も医療衛生市場化の改革に成功した経験がないため、中国でも衛生事業は政府が一定の福祉政策を実施するといった社会公益的な事業にすぎない。 すべての人に基本的な医療衛生サービスをもっと享受させるようにするために、今後の一時期、都市・農村部住民をカバーする基本的な衛生・保健、多層的な医療保障、国指定の基本薬品、公立病院の管理に関する制度の確立を重点的に進めていくことにしている。この4つの基本制度の中で中心をなすのが、都市・農村部住民をカバーする基本衛生保健制度だ。同制度は主に次の2点を強調している。 第1は、政府が住民に提供すべき公共衛生サービスの内容、項目と基準について制度的に明確にしたことだ。伝染病の予防と治療、計画的な予防接種、健康教育、婦人・幼児の保健、身障者のリハビリのほか、公共衛生サービスと公共衛生にかかわる突発的な出来事への効果的な対応などについては、政府が資金を調達し、無料で住民に提供する。 第2は、公益性に基づいて、住民に基本医療サービスを提供することだ。経済性を目的とせず、医療衛生機関はサービスと薬品の販売でお金を稼いではならず、政府が必要な経費を保障する。 経済が安定して発展し、国の財政収入が安定して増加するに伴い、医療衛生や公共衛生システムの構築、新しいタイプの農村医療協力や農村医療衛生条件の改善、コミュニティーの衛生環境の整備、重大な疾病の予防と強化に拠出される政府の資金は年々増加している。統計によると、06年の中国政府の衛生への投入は02年より倍増し、07年の中央財政支出は前年比で86%増大した。これによって都市・農村部の医療衛生サービスネットワークが確立され、住民は基本医療衛生サービスや比較的完備した、多層的な健康保障システムを平等に享受させるようになった。 「チャイナネット」2008年3月 |