答 実際ここ数年来、海外旅行に出る公民の数や目的地は増えてきており、一部の中国人観光客による外国でのさまざまなマナーの悪さは確かに恥ずかしいことだ。とりわけその土地の習俗を尊重しないことで、中国の「礼儀の邦」としてのイメージはさらに損なわれ、内外の世論もこれに大きな関心を寄せ、批判している。国民の多くも大きな反感を抱いている。 海外旅行をする中国人のマナーの悪さは、もちろん当地の礼儀や習俗を理解していないことが原因だが、国民の資質が根本的な問題だろう。国内で長期にわたって身についた悪習と無関係ではない。例えば、あたりかまわず痰を吐いたり、ゴミを捨てたりする行為は、中国の法律でも明確に禁止されているとはいえ、常習化している人が多い。一般に出国前に、礼儀に関する常識を教えられてはいても、出国するとすっかり忘れてしまう人が多いのが実情だ。 もちろん、観光客のマナー違反は中国人ばかりではない。公民が礼儀を守って良好な民族イメージを作ることで、国のソフト面での力を高めたいと期待するのも、中国だけではない。世界では多くの国が、公民の観光に対する意識の強化に努めており、マナーに違反する行為をきめ細かく、科学的に、やさしく説明して忠告するとともに、旅先の生態環境や遺跡を破壊したり、国のイメージを損なったりする行為については厳しく処罰している。 海外旅行中の悪習を是正するために、政府は06年8月から公民の観光マナー向上行動を実施することにした。具体的な行動内容については、「海外旅行の行動指針」と「国内旅行の行動規約」を制定する、観光行動規範のキャンペーンと教育を強化する、特別講座や原稿募集・講演、知識コンクール、イメージ展示などを通じて、観光マナーや礼儀の基礎知識、海外での礼儀作法、公共の場での礼儀作法などの教育を計画的に、段階的に行おうとしている。同時に、さまざまな措置を講じて、海外に観光に出る、または海外に駐在する公民とその家族を対象に宣伝教育を行って、その国の法律や法規を順守させるとともに、旅先の習俗を尊重することで、中国公民の良好なイメージを構築する、としている。 実施の手順は、キャンペーンの始動、教育の実践、メカニズムの構築、この3段階に分かれている。08年末までに公民のマナーの悪さを大幅に改善し、資質と社会の文明度を著しく向上させることで、「儀礼の邦」のイメージを改めて構築するために絶えず尽力していくつもりだ。 「チャイナネット」2008年3月 |