答 従来の収容して送り返す制度は、計画経済という条件の下での産物だった。当初は、都市に押し寄せた無職の人や被災者を収容して救済するのが目的で、ある程度、社会福祉的な性格を帯びていた。ホームレスや物乞いの基本的な生活権を保護するうえで積極的な役割を果たしたものの、経済社会の発展に伴い、制度の運営メカニズムや管理方法が実際にそぐわないものになってしまったうえ、規定に違反した地方もあって、制度の不備がますます顕著になってきた。 こうした制度を廃止して、援護管理制度を設けることは、新たな歴史的条件の下では、社会文明の進歩に即した積極的な模索だと言えるだろう。そうしたことから、「都市部の生活のあてのないホームレスや物乞いを援護・管理する弁法」を制定・公布し、03年8月1日から正式に施行した。規定によると、自ら食と宿の問題を解決する能力がなく、依存できる親類もなく、都市・農村部の最低生活保障を享受せずに、都市で浮浪、物乞いの生活を送っている者は、いずれも政府の全面的な援護を受けることができる。その内容は、衛生基準に合致した食品、基本的な条件に合致した居住場所、援護センター内で突然発病した場合の救済と治療、親族または所属先との連絡支援、交通費の支払い能力のない者への無料乗車(船)証明書の発給などだ。 被援護者に対し、援護センターは分類管理方式を採用している。私人としての行動能力を有するホームレスや物乞いに対しては、開放型管理、私人としての行動能力を有していない、または私人としての行動能力が制限されている身障者やお年寄り、未成年者に対しては、後見型管理を実施している。16歳未満の未成年者は児童援護センターに送致され、行動が不自由な身障者や自分で生活するのが困難な70歳以上のお年寄りは、センターの担当者が面倒をみる。援護する期間は一般に10日間。また、援護センターを離れた後も、出身地の政府に対し、被援護者を定住させる措置を講じるよう求めている。とくに身障者や未成年者、お年寄りについては、再び同じようなことを繰り返さないよう、労働や生活面で問題を解決するよう地元政府に求めているところだ。一人では家に戻れず、行動能力のない痴呆症患者などは、援護センターが地元の社会福祉施設に送致して面倒を見るようにさせている。 援護を受け入れるかどうかは自主的なもので、しかも援護は無償だ。センターに援護を求めない人に対しては、都市の管理担当者が発見した場合、センターに通告して援護を求めるよう義務づけている。そのうち身障者や未成年者、老人、行動の不自由な人は、センターが保護することにしている。重病患者については、衛生関連機関指定の医療機関に通告して治療を受けさせる。センターは被援護者や家族、所属先からは援護費用を取ることはせず、労働に従事させることもしない。援護センターでは自由は保障され、センターを離れるのも自由で、制限は一切ない。これは人間的な関心を具体的に示すものだ。また、本人が援護を拒否したり、または援護を望まなかったりしても、援護を強要することはない。統計によると、06年末現在、援護管理センターは1100カ所、児童保護センターは130カ所を数え、06年には、延べ70万人余りが収容されている。そのうち児童は約10万人にのぼる。この特殊な困難な状況にある人たちを救済するうえで、援護センターはその役割を十二分に発揮している。 こうした状況は、現段階ではまだ根絶することはできない。先進諸国でもある程度見られることだ。しかし、社会保障システムと援護制度を完備させ、都市・農村部の総体的にバランスの取れた発展を通じてこの問題を解決し、出身地という根源となるところから徐々に減らし、無くしていくよう力を尽くしていくつもりだ。これは長期的な課題であり、それには弛むことのない努力が必要だ。 「チャイナネット」2008年3月 |