答 中国は農業大国であり、この30年間、相前後して農村で3回、重要な改革を行ってきた。最初の改革は1980年に始まった。家庭請負制を中心とした経営体制改革で、この改革を通じて、基本的な経済制度が確立し、農民の生産経営自主権が保障され、農村に市場経済の基盤が築かれた。2回目は85年から実施した、税金を中心とする配分関係の改革だ。この改革によって、都市と農村が一体的に発展するようになり、国と農民との配分関係が明確になった。3回目は、現在実施している総合的改革だ。こうした改革を総体的に見ると、その根本となる目的は、広範な農民の物質的利益を保障し、農民の民主的権利を擁護し、農村の生産力を解放して発展させることにある。 06年から、全国の農村で農業税が全面的に廃止された。農村の総合的改革が正式に起動したことを意味するものだが、その重点は郷・鎮の政府機関、義務教育、県・郷の財政という三つの面で改革をさらに推進することにある。 郷・鎮政府機関の改革では、機能の転換を重点に、行政と企業の分離を堅持し、職員のスリム化を進めて行政効率を高めるとともに、行動規範を制定し、運営に協調性を持たせることで、公正で透明、廉潔で効率の高い末端行政体制と運営メカニズムを確立する。同時に、機構の調整を積極的かつ合理的に行い、事業所などを再編することで、余剰人員のスリム化を進め、5年間は定員を増やさず削減していく方針だ。 義務教育改革で重点となるのは、教育経費を着実にまかなう保障メカニズムだ。この改革を通じて、学校の運営費を確保し、教育の質を向上させ、教育の公平を促進することで、義務教育の発展を速め、すべての子供を学校に上がらせる目標を実現していく。 3つの改革の中で、最大の難点は県・郷の財政改革だ。この改革は、末端機構の財政保障能力の強化に重点を置き、農業と農村への資金投入を絶えず増やしていく。そのうち国が財政面から新たに増やす教育、衛生、文化などの関連事業費は主に農村に充てることにしている。同時に、移転支払制度をさらに完備させる。特別補助金を適正化し、省が県の財政を直接管理し、また「郷財政は県が管理し、郷が使う」といった財政管理体制と方式の改革を引き続き推し進めるとともに、末端政府が職責を履行し、公共サービスを提供する能力を強化していく。 農村の総合的改革の推進は、中国が社会主義の新しい農村を建設するうえで重要な課題となっており、経済分野の改革にかかわるだけでなく、政治や社会、文化などの分野での改革にもかかわる重要な制度革新、社会変革でもある。試験的に進めたうえで全面的に推進し、5年以内にほぼ達成するよう努めていく。改革の目標は、税制改革の成果を固め、社会主義市場経済体制を整う要求に基づいて、実行力のある効率の高い行政管理体制と運営メカニズムを確立し、これを公共財政制度と政府が資金を拠出する義務教育体制に浸透させることで、農民の負担軽減と収入増加、農村の公益事業の健全な発展を促進し、農村の経済社会の全面的な発展を推進していくことである。 「チャイナネット」2008年4月 |