答 近代的農業の発展を新しい農村の建設で最優先することにしたのは、次の3つの理由からである。まず、中国の農業は、伝統的生産方式から近代的生産方式へ転換する重要な時期に置かれている。この時期に、急速に進む工業化と都市化によって、農業への需要は非常に高まる一方で、資源環境が農業の発展を制約するようになってきたからだ。こうした状況の下で、農業への社会的需要を満たすには、現行の生産方式では達成できないのは明らかであり、農業生産手段や生産方式、経営理念の近代化を強化してこそ、資源環境による束縛を乗り越えることができ、工業化と都市化にも応えることができる。 次に、中国は人口が多く土地が少なく、水資源が不足している。そのため、農業の近代化を実現し、化学肥料や農業用フィルム、農薬、灌漑、優良品種、農機具、電力、バイオテクノロジー、情報技術、ひいては宇宙航空技術といった近代的な要素が伝統的な要素に取って代わることで初めて、土地の生産効率や資源の利用効率は高まり、高生産高で高品質のエコ農産物を生産して、経済社会の発展を保証することができる。 第3に、都市・農村部住民の収入と生活水準の向上に伴って、人々の農業に対する要望も多元化の傾向にあり、農業は健康な食品ばかりでなく、良好な生態環境を提供しなければならなくなってきた。 近代的農業を発展させる基本的構想は次の通りだ。近代的な物質条件で整備する、近代的な科学技術で改善する、近代的な産業システムで高度化する、近代的な経営方式で推進する、新しいタイプの農民の育成で豊かにする、水利化や機械化、情報化のレベルを高める、土地の創出率や資源の利用率、労働生産性を高める、品質や収益、競争力を絶えず向上させるなどだ。整備の過程では、伝統的な農業を改良し、農村の生産力を絶えず発展させ、成長方式を変えて、農業のより良い、より速い発展を促進していく。このため、次のような措置を講じて整備を強化することにしている。 第1は、新しい農業への資金投入ルートを絶えず開拓することだ。農民や政府、社会が幅広く参与する、多元的な資金投入メカニズムを確立していく。 第2は、近代的な施設や設備のレベルを高めることだ。主に、農地の水利施設の整備、耕地の質の向上、クリーンエネルギーの開発、インフラ整備の強化、新しいタイプの農業と工業の発展、持続的な発展能力の向上などがある。 第3は、科学技術の自主的創造能力を増強し、その成果の農業への応用を強化し、農業に対する貢献度を向上させるとともに、生産の集約性やクリーン性、安全性、持続可能な発展を促進することだ。 第4は、流通インフラの整備を強化し、近代的な流通方式と新しいタイプの流通業を発展させるとともに、多角的で多層的な市場流通企業を育成し、開放・統一された平等な競争市場システムを構築することだ。 農業が発展すれば、基盤は強化され、農民が潤えば、国は繁栄し、農村が落ち着けば、社会は安定する。近代的農業を積極的に発展させることは、長期にわたる難しい課題であり、それは新しい農村の建設と農業の近代化という全過程にかかわるものだ。このため、中国は実情に基づき、客観的法則に従って、重点的かつ計画的、段階的に着実に推し進めることで、中国の特色のある近代的農業を発展させる道を歩むよう努力していく。 「チャイナネット」2008年4月 |